唯仏与仏(37) 立正佼成会 庭野日敬開祖法話

法華経の「譬諭品(ひゆほん)」には、「諸苦(しょく)の所因(しょいん)は 貪欲(とんよく)これ本(もと)なり」と説かれています。つまり、さまざまな「苦」の原因、悩みの原因になっているのが「貪欲」です。その「貪欲」をなくすれば、悩みや苦しみはすっかり消えてしまうのです。

人間として、欲をすべて捨てるというのは無理難題にも思いますが、見方を転じて「布施(ふせ)」の心になればいいのです。自分の得になることばかり考えるのを少し控えて、人さまに与える行ないに変えていくと、悩みの種はしぼんでしまいます。そして、そういう「布施」の行ないが、おのずと喜びの種をまくことになるのです。

(『庭野日敬平成法話集1 菩提の萌を発さしむ』の一節を抜粋して掲載します。今回は同書197ページから)

※『庭野日敬平成法話集1 菩提の萌を発さしむ』について
佼成出版社ウェブサイト https://www.kosei-shuppan.co.jp/book/b358914.html