TKWO――音楽とともにある人生♪ アルトサクソフォン・林田祐和さん Vol.1
日本トップレベルの吹奏楽団として知られる東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)。演奏会をはじめ、ラジオやテレビ出演など、多方面で活躍する。また長年、全日本吹奏楽コンクールの課題曲の参考演奏を行っていることから、特にコンクールを目指す中学生・高校生の憧れの存在でもある。今企画の8人目に登場するのは、アルトサクソフォン奏者の林田祐和さん。今回は、サクソフォンを選んだ理由や音楽の世界で生きていこうと思ったきっかけを紹介する。
5歳から習ったピアノ、自ら選んだサクソフォン
――数ある楽器の中で、なぜサクソフォンにしたのですか
とにかく見た目です。サクソフォンを選んだ理由はそれしかなく、一目ぼれでした。金色に輝き、装飾が施されているサクソフォンはとても格好良く、僕の目に留まったのです。中学の吹奏楽部に入ってきた新入生の中には同じ思いの生徒が他にもいて、人気の楽器でした。僕は部活の勧誘が始まるとすぐに吹奏楽部に入ることを決め、アルトサクソフォンを吹き続けて、他の生徒には譲ることはしませんでした。「早い者勝ちだ!」と言わんばかりに担当を勝ち取り、いつしか自分の楽器になりました(笑)。
吹奏楽部に入ろうと思ったのは、5歳からピアノを習っていて、中学校に進んだら、ピアノ以外の楽器で音楽を続けたいと考えていたからです。ちょうど僕が通った中学校は、吹奏楽部の強豪校だったこともあり、音楽を本格的に続けるには恵まれていて、迷うことなく吹奏楽部に入部しました。
中学2生の時、ソロコンクールに出場しました。結果は、全国で3位に入賞。うれしくて、それで調子に乗ってしまいました。「俺はもう、絶対にこの世界でいこう!」と、音楽の道に進む気持ちが強く湧いたのです。
ただ、その決意から、実際にプロとして、その実力が認められて演奏だけで生活が成り立つようになれたのは、18年後のことです。2013年に佼成ウインドのアルトサクソフォン奏者としてデビューした時で、うれしかったですよ。