WCRP/RfP創設50周年 諸宗教者が平和のために連帯して半世紀
世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)の第1回世界大会が京都で開催されてから、10月16日で50年の節目を迎えた。宗教者の連帯による世界的な組織として、半世紀にわたり平和への取り組みを続けてきたWCRP/RfP。その歩みを振り返る。(写真提供=WCRP/RfP日本委員会)
願い――世界平和の実現へ対話・協力を推進
宗教は人々に救いや癒やしをもたらす一方、時には国や民族の違い、政治的事情なども絡(から)み、対立や争いを引き起こす原因ともなった。その中で、世界の平和と人々の幸福に貢献するという宗教者本来の役割を果たすため、多くの宗教者が諸宗教の対話と協力に真摯(しんし)な努力を重ねてきた。
そうした先人たちの取り組みの上に、WCRP/RfPの第1回世界大会は1970年、京都で開催された。世界平和の実現に向けて共に行動を起こすため、国や信条の違いを超えて世界の宗教指導者が一堂に会したのは画期的なことだった。
「宗教者が話し合っても現実の世界は変わらない」といった批判も受けながら、〈平和はただ待っているだけでは訪れない。まず自らが一歩を踏み出さなければ〉との信念で、宗教者たちは大会の開催に向けて情熱を燃やし、力を注いだ。
大会に先立つ62年には、カトリックの「第二バチカン公会議」(65年まで)が開催された。会議では、カトリックの歴史上初めて諸宗教との対話を宣言。世界の宗教協力の動きに大きな影響を与えた。
同会議に仏教徒として初めて招かれた庭野日敬開祖は、ローマ教皇パウロ六世との会見を通して、宗教協力が可能であることを確信。宗教間の懸け橋になろうと決意を固めた。その後、WCRP/RfPの世界大会開催に向け、同志と共に、国内外の宗教者に会議への協力を呼び掛ける「平和行脚(あんぎゃ)」を重ねた。
世界大会には、39カ国から約300人の諸宗教者が参加した。当時、世界は東西冷戦や核兵器の脅威、飢餓、貧困、人種差別、政治的抑圧といった諸問題に直面していた。大会では、課題の解決に向け、『非武装・開発・人権』をテーマに参加者が真剣に討議。歴史的な「京都宣言」を採択した。そこには、「平和の大義に背いてきたのは宗教ではなく、宗教者である」との懴悔が示され、平和に向けた宗教者の誓いと行動が明記された。
大会では、宗教者の連帯を継続するため、「世界宗教者平和会議」を常設機関とすることを決定。ニューヨークに国際事務局が設置された。ここに京都大会を出発点とする、WCRP/RfPの平和に向けた取り組みがスタートした。