共生へ――現代に伝える神道のこころ

共生へ――現代に伝える神道のこころ(5) 写真・文 藤本頼生(國學院大學神道文化学部准教授)

人々の暮らしをいつも見守り、心に安寧をもたらす神を頼りに

前回は、主に至高神、霊威神、機能神の三種類に分けて日本の神々の分類、役割について述べた。もう少し詳しく知りたいという読者の方々もいると思い、今回は、前回分類した神々の話を基に、もう少し話を続けてみたい。

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共生へ――現代に伝える神道のこころ(4) 写真・文 藤本頼生(國學院大學神道文化学部准教授)

神道を暮らしに活かすため いま一度知りたい「神社の役割」

前回は『日本書紀』の三大神勅(しんちょく)を中心に神話の指し示す考え方について述べた。読者の中には、神話の世界観もいいが、日本の神々や神社の違いについて知りたいと思う方もいると思う。そこで今回は、神道の教えを日々の暮らしに活かすためにも、「神社」というものの理解とともに、神社に祀(まつ)られる神々の分類について述べたい。

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共生へ――現代に伝える神道のこころ(3) 写真・文 藤本頼生(國學院大學神道文化学部准教授)

日々、神々を祀り、神を丁重に敬うことで清く明るくより良く生きる

前回は『古事記』について多くの行数を割いたので、今回は『日本書紀』に記載されている内容について、少し述べてみたい。

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共生へ――現代に伝える神道のこころ(2) 写真・文 藤本頼生(國學院大學神道文化学部准教授)

日本神話が伝える豊かな世界観は、今を生きる私たちへのメッセージ

『古事記』や『日本書紀』といえば、まさに日本神話の代名詞であり、神道の代表的古典ともいうべき書物である。『古事記』は、和銅五(七一二)年の撰上(せんじょう)から本年で千三百九年目、『日本書紀』も昨年(二〇二〇年)が養老四(七二〇)年の撰上から千三百年という佳節であった。

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共生へ――現代に伝える神道のこころ(1) 写真・文 藤本頼生(國學院大學神道文化学部准教授)

神道への理解は、多様性を許容し合う社会で大切な考え方の一つに

「神道と福祉との関係性を一緒に研究してみないか」という恩師からの何げない一言がきっかけとなり、神道の学問研究を志すようになってから、はや二十四年を経た。小生は現在、全国に二校しかない神道系大学の一つである國學院大學の教員を務めているが、神道は学べば学ぶほどに未知のことが多く、まだまだ自身の勉強不足は否めない。さらなる研究の深化を求めて、各地の神社や祭礼に足を運び、種々の史料や書籍、学術論文などと苦闘、煩悶(はんもん)する日々を過ごしている。

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