新・仏典物語――釈尊の弟子たち

新・仏典物語――釈尊の弟子たち(5)

暁の空に、星はきらめいて

腫れた足の皮膚は破れ、血がにじみ、身にまとった黄色の衣は土ぼこりと汗にまみれていました。頰はこけ、憔悴(しょうすい)しきったその老女の姿は、遠い道のりを歩き続けてきたことを物語っていました。

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新・仏典物語――釈尊の弟子たち(4)

さあ、行け! 汝がめざすスナーパランタへ

釈尊が祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)に滞在していたときのことです。

弟子の一人であるプンナ(富楼那)が訪ねてきました。プンナはスナーパランタという地方で教えを広めることを決意し、釈尊に別れを告げるために来たのでした。

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新・仏典物語――釈尊の弟子たち(3)

毒矢のたとえ

釈尊が舎衛城(しゃえじょう)のジェータ林の精舎(しょうじゃ)にいたときのことです。マールンクヤという哲学好きの若い僧侶が思いつめたような表情で、釈尊の元に訪ねてきました。

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新・仏典物語――釈尊の弟子たち(2)

ごちそうは誰のもの?

釈尊が王舎城(おうしゃじょう)の郊外の竹林精舎(ちくりんしょうじゃ)にいらしたときのことです。一人のバラモン教の僧侶が、血相を変えて怒鳴りこんできました。

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新・仏典物語――釈尊の弟子たち(1)

琴の糸のたとえ

釈尊が霊鷲山(りょうじゅせん)にいらっしゃったときのことです。近くの森の中で、ソーナーという弟子が他に類を見ないような厳しい修行をしていました。しかし、ソーナーには一つの悩みがありました。

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