ナイジェリア内紛の解決に貢献するKAICIID(海外通信・バチカン支局)
諸宗教対話・協力による平和構築を目指すKAICIID
2015年、ナイジェリア国内の分断や対立の解決に乗り出したのは、本会の庭野光祥次代会長が理事を務める「アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター」(KAICIID)だ。サウジアラビアの提唱により創設され、当初からバチカンによる支援・協力を受ける。KAICIIDは、ナイジェリア国内の80を超える諸宗教団体・関連団体で構成される「平和のための諸宗教間対話フォーラム」(IDFP)の創設を後押しした。そして2023年8月23日、IDFPはKAICIIDの支援を受けて「諸宗教間における行動規範」を発表した。同規範は、宗教指導者のみならず、キリスト教、イスラームといった宗教共同体を構成する一人ひとりに共通した行動指針であり、ヘイトスピーチの抑制や相互尊重、紛争の平和的解決を通じた社会的結束の強化といった10項目を示している。
世界教会協議会(WCC)のプレスリリースは7月28日、IDFPとKAICIIDがナイジェリアの首都アブジャで、国内のキリスト教連盟、イスラーム最高評議会などの協力のもと、『ヘイトスピーチと暴力/国家建設へ向けての国家と非国家組織の役割』をテーマに第8回総会を開き、「国内の分断や憎悪をあおる言説の蔓延(まんえん)、深刻化する紛争の危機」といった状況の中で、「諸宗教間における行動規範」の実践を改めて訴えたと報じている。
ナイジェリアは来年、大統領選挙をはじめとする総選挙を控えており、総会では、総選挙に向けた諸宗教者の対応についても討議されたとのことだ。ローマ教皇庁外国宣教事業部の国際通信社「フィデス」は8月18日、「今回の選挙では、これまで以上に大きな代償を払うことになる可能性がある」と警告する、マン・オソ・ウンダゴソ大司教(カドゥナ大司教区、ナイジェリア・カトリック司教会議議長)の発言を伝えている。ウンダゴソ大司教は、「悪い政治指導力が、怠慢、責任の不在、経済の衰退、諸宗教間での緊張、不安、拉致や無用な命の喪失を生むことを、われわれはすでに見てきたからだ」と、その代償の理由を述べた。コンタゴラのダウワ・ヨハンナ司教(ナイジェリア・キリスト教連盟会長)は、「投票しないことは、抗議ではなく、敗北の印だ」と戒め、積極的な投票を信徒たちに呼びかけている。
WCCは8月19日、WCCのジェリー・ピレー総幹事が20日から27日にかけて、ナイジェリアを訪問するとのプレスリリースを発表した。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)





