TKWO「大井剛史常任指揮者就任記念演奏会」開催

演奏会は好評を博した ©Atsushi Yokota

2024年4月、東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)は、常任指揮者に大井剛史氏、楽芸員に作曲家の中橋愛生(よしお)氏を迎え、新たなスタートを切った。その幕開けとなる「大井剛史常任指揮者就任記念演奏会」が同5日、東京オペラシティコンサートホール(東京・新宿区)で開催され、1100人以上が来場。中高生の姿も目立った。

演奏会は、1991年の委嘱作品である「セレブレイション」(P・スパーク作曲)で開幕。続いて、J・ブラームス作曲、R・ギュンター編曲の「2つのコラール前奏曲」(「一輪のばらは咲きて(作品122―8)」「おお、汝正しくして善なる神よ(作品122―7)」)を奏で、前半最後に「秘儀 IX〈アスラ〉」(西村朗作曲)を演奏した。

後半は、マスランカ・チクルス(特定の作曲家の作品を連続して演奏するコンサート)Vol.1として「交響曲第2番」(D・マスランカ作曲)を披露。聴衆は、新体制TKWOの演奏にたっぷりと酔いしれた。

演奏終了後、鳴りやまない拍手に応え、大井氏が登壇。「曲の後の余韻、静寂までお楽しみ頂いたお客さまに拍手です。最高の環境で演奏できて幸せです。皆さまに日常から離れた夢の時間をお送りすべく、頑張ってまいります」と語り、アンコール曲「ウェディング・ダンス」(J・プレス作曲、H・N・ジョンストン、F・フェネル編曲)が奏でられた。

ファンからの就任祝いに丁寧に応える大井氏 ©Atsushi Yokota

終演後には、たくさんの祝い花に飾られたロビーで大井氏のサイン会が行われ、多くのファンが列をなした。

マスランカ・チクルスは今後5年間で交響曲全7曲を演奏予定。今演奏会は初回とあって注目を集めたが、その期待に応える演奏に、「素敵(すてき)な作品に出合えました」「素晴らしかった」といった声が寄せられた。なお、開演前にはTKWOの勝川本久理事長から大井氏に、常任指揮者就任の委嘱状を手渡すセレモニーが行われた。