僧侶が電力小売会社を設立 事業内容や目的を記者会見

近畿地方の僧侶らがこのほど京都市内に電力小売会社を設立した。社名は、「TERA Energy株式会社」。京都市内の寺院で記者会見を開き、来年4月から電力小売事業に参入すると発表した。

同社は、さまざまな宗派の僧侶らが設立。寺のネットワークを活用して、檀信徒を中心に電力小売事業を展開する意向だ。事業を通して地球温暖化の防止に努めるとともに、地域の高齢化や過疎化などによって運営が厳しくなっている寺の下支えを目的としている。

来年4月から中国・四国地方で販売を開始。「みやまパワーHD株式会社」(福岡・みやま市)と連携し、初年度は中国電力からも電力供給を受ける。

2年目以降に全国展開を目指す。また、将来的に電力の調達は、NPO法人「気候ネットワーク」や「みやまパワーHD」と協力し、太陽光発電や小水力発電などによる「再生可能エネルギー100%の供給」を掲げている。

電気料金は広告宣伝費や経費を抑え、大手より約2%安く提供。売り上げの一部は、「お寺サポート費」として、寺の維持費や地域貢献の活動費用に充てられる。

浄土真宗本願寺派僧侶の竹本了悟社長は、「高齢化や過疎化によって地域のコミュニティー形成が難しくなる中、新たな方法が必要とされています。会社設立は、インフラ事業を通して、寺がコミュニティーのハブになることを目指すものです。この取り組みを通して、寺のサポーターとして貢献したい」と語った。