「普門館からありがとう~吹奏楽の響きたちへ~」始まる 吹奏楽経験者が楽器を手に来場
吹奏楽ファンや関係者に感謝を込めて、普門館大ホールの舞台を開放するイベント「普門館からありがとう~吹奏楽の響きたちへ~」が11月5日夕方から始まった。
1972年、全国吹奏楽コンクール(主催・全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社)が普門館で初めて開催された。その後は別会場に移ったが、77年に再び普門館で行われた。以後、2005年を除いて2011年まで毎年、普門館で開かれ、「吹奏楽の甲子園」として長く親しまれた。また、中学や高校の都大会のほか、一時期は一般の大会が行われたこともある。今回のイベントは、普門館の舞台を目指し、特別な気持ちを寄せてくれた人々へ、立正佼成会から感謝の思いを表したいと実施された。
5日は、開放時間の30分前に約40人が列をつくった。一番乗りの女性はクラリネットを手に、15時に到着したと言う。吹奏楽コンクール都大会(職場・一般)で普門館の舞台に立ったことが思い出で、「(普門館の象徴である)黒いステージに立ち、広い客席を初めて目にした時は、圧倒されました。懸命に練習し、目標とした普門館は私にとって“自分のうち”のように大切な場所。無くなるのは寂しいですが、とても感謝しています」と話した。
東京出張に併せて、福岡県から35年ぶりに普門館を訪れた男性は、ホルンを手に持つと、目を真っ赤にした。「高校時代は、生活の全てを吹奏楽部の活動に費やしました。全国吹奏楽コンクール大会の演奏は12分間でしたが、緊張しながらも幸せな時間でした。あの雰囲気と感動は忘れません」。
この日は、大学生など若い人たちも多く来場した。都内の大学の吹奏楽サークルで活動する女性は、「父は高校生の時、全国大会に出場し、普門館の話をよくしてくれました。写真も大切にしていて、一度見たかったんです。本当に大きいですね」と笑顔を浮かべた。
入場の際、来場者には、普門館に使われているものと同じタイル(同館の絵柄付き)とカードがプレゼントされた。舞台の反響板に直接メッセージを書くこともできる。
「普門館からありがとう~吹奏楽の響きたちへ~」は11日まで行われる。