社会と行動変容のための宗教・グローバルワークショップ 光祥次代会長のスピーチ

世界宗教者平和会議は、世界90カ国以上で、現地の諸宗教コミュニティーにより構築された諸宗教評議会、つまり諸宗教の枠組みで共通の目的のために行動しようという志を持つ各国の宗教者と共に活動しています。こうした諸宗教評議会と各国のユニセフ事務所との間で行動志向の協力関係が深められてきたことは、とても心強いことです。「平等で、相互尊重に基づいたパートナーシップ」には、深い宗教的な意味があります。ブッダの説く「縁起」の教えは、われわれはすでに「関係付けられている」という事実を私たちに教えてくれます。それは、私たちの存在そのものが「関係性」の上に成り立っているという事実を深く認識することです。また、法華経の「開三顕一(かいさんけんいつ)・一仏乗」の法門を深く掘り下げてみると、それは「異なる存在が、お互いに他者へ奉仕することを通して、普遍的な愛と慈悲による大調和につながっていく」という教えです。

私たちが「世界宗教者平和会議とユニセフとのグローバル・パートナーシップ」を支援させて頂くのは、こうした深い宗教的根源的な動機に基づいて、行動する諸宗教者が、子供の福祉・保護に携わっている人々と協力して、諸宗教協力の母体を強化しつつ、相乗効果によって、より多くの子供たちのいのちの尊厳を守り、平和の大切さを伝えるという共通の目的のための活動を進めたいという願いからでした。私たちのパートナーシップの核心には、「諸宗教、諸民族といった異なる活動家間の協力の促進と子供たちの保護、福祉の融合・統合」があります。

今回、このワークショップの受け入れをしてくださっているWCRP/RfPのタイ諸宗教評議会の皆さまと共に、私は、数年前に世界宗教者平和会議国際共同議長として、タイ南部を訪問しました。そこでは紛争で最愛の夫を亡くした仏教徒とイスラームの女性たちが協力し、諸宗教女性ネットワークを立ち上げ、子供たちの平和な未来のために、まず自らが、恨み、憎しみの連鎖を断ち切ろうと命懸けの活動を展開していました。