『災害時に備えて――発達障がい児者受け入れのてびき』 WCRP/RfP日本委女性部会が発刊

熊本地震で近隣住民を受け入れた体験を語る小泉牧師

4月25日の発刊イベントでは、同女性部会部会長の森脇友紀子カトリック東京大司教区アレルヤ会会長があいさつ。同女性部会アドボカシー委員会責任者の黒住昭子黒住教婦人会会長が同書作製の意図や内容を紹介し、熊本市にある日本福音ルーテル健軍教会の小泉基牧師が講演した。

小泉師は、2016年4月に発生した熊本地震の際、教会施設で約1カ月半にわたって近隣住民を受け入れ、避難者と協力しながら食事の提供や水くみに努めた体験を詳述した。この中で小泉師は、日が経つにつれ、避難者は減っていったが、最後まで教会に身を寄せていた人の多くが、自宅の片付けや公的機関への書類申請などに支援が必要な視覚障害のある高齢者、ひとり親の家庭や外国籍の親子といった災害弱者であったと報告。「災害弱者といわれる人々は公的な避難所では肩身の狭い思いをすることが多いようです。そうした一人ひとりを支え、自立できるまで寄り添うことが、宗教団体として必要な支援」と強調した。

ワークショップを通して避難所の設置を模擬体験

この後、ワークショップ「避難所運営を体験してみよう」を実施。4グループに分かれた参加者は、宗教施設を避難所に充てた際の通路の確保や居住スペースの区分けなどを模擬体験した。

真宗大谷派(東本願寺)の藤野憲佑総務部主事は、「特別な配慮が必要な人を、私たちの施設でどう受け入れるのかを考えるきっかけになりました。『てびき』を参考にして災害時の受け入れに備えます」と述べた。

また、松緑神道大和山の三上智久子布教部無盡燈編集担当主幹は、「ワークショップを通じ、点字の案内板や車いすなどの備えをしておく必要性を感じました。また、発達障害についての学びを深めないと災害時に最適な受け入れができないことも知りました」と語った。

なお、同書はWCRP/RfP日本委を通じて購入することができる。

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『災害時に備えて――発達障がい児者受け入れのてびき』
A4判・38ページ・500円(頒価)
申し込み:WCRP/RfP日本委までお問い合わせください。
TEL 03(3384)2337