『アフリカの新たなビジョン』テーマに本会と聖エジディオ共同体、上智大学が国際会議 開催の意義とは

立正佼成会、聖エジディオ共同体、上智大学の共催による『アフリカの新たなビジョン』と題した「東京国際会議」が5月19日、東京・千代田区の上智大学(四谷キャンパス)で行われる。開催を目前に控え、会議の企画に携わってきた立正佼成会の篠原祥哲主幹に、会議の意義について聞いた。

アフリカの貧困を「わが事」として

2015年9月、国連で「持続可能な開発目標」(SDGs)が採択されました。SDGsとは、世界が直面する17の課題を2030年までに解決するという国際的な目標です。「誰一人取り残さない」という精神で、「全ての貧困をなくす」ことを大きな目標の一つに掲げています。

2010年に世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)の青年たちは軍縮と貧困撲滅を目指した「ARMS DOWN! 共にすべてのいのちを守るためのキャンペーン」を実施し、2000万を超える署名を集めましたが、その時に取り組んだ国連ミレニアム開発目標(MDGs)を引き継ぐものとしてSDGsが2016年から開始されたのです。今回の会議は、現在、世界で最も貧困状況が深刻であるアフリカの貧困問題を「わが事」として捉え、どのように解決していくかを真剣に模索する場として企画しました。

開催の大きな目的の一つは、宗教に関わる私たちが、政府、国連、NGOなどの各界の関係者と共に話し合うことにあります。そして、その声をまとめ、国際社会に意見を提言していくことです。

国際問題に対して、各国の政府の代表者が話し合いを進め、解決への道筋を決めていくことはとても重要です。しかし、各国の政府は自国の利益を優先してしまうあまり、会議で十分な成果が得られないといったことも少なくありません。これに対し、宗教は全ての人の幸せを説いています。その教えを頂く宗教者や信仰者の役割は大切で、国の利害を超えて、人類全体の幸せ、地球そのものの利益のためにどのような取り組みができるかといった観点から発言していくことが求められます。政府や国連関係者、世界各地で活動するNGO関係者と、宗教者が協力してアフリカの貧困の問題を解決するための実効性の高い議論がなされればと願っています。

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