千葉教会で憲法学習会 憲法学者・長谷部早稲田大教授を講師に迎え

早稲田大学の長谷部教授

講演の終了後には、「憲法改正」の論点について教会代表者と議員合わせて90人でグループ討議が行われ、長谷部氏との質疑応答の場が持たれた。一部を紹介する。

――立憲主義を無視するような政治状況が不安です。国民、特に若い世代の私たちはどのような考えを持って行動すべきですか

憲法や政策の変化は、青少年といった若い世代、また、これから生まれてくる人々の人生や生活に大きな影響を及ぼします。政治の問題は政治家の責任と考えがちですが、その政治家を選択するのは現在参政権を持っている私たちです。現代を生きる私たちが後世の生活の責任を担っているのです。自らの問題なのだという意識を持ち、一人ひとりがどのような社会にするべきかを考え、投票することが必要です。

――ミサイル発射や水爆実験を繰り返す北朝鮮の動向が心配です

日本のメディアではほとんど報道されませんが、世界的には、北朝鮮に対して圧力ではなく、対話で解決を目指すというのがコンセンサスと言っていいでしょう。北朝鮮の目的は、現在の政治体制をアメリカに認めさせることであり、日本政府は両国が交渉できるような協力をするべきです。現在、北朝鮮に対して石油禁輸を叫ぶ人がいますが、1941年に日本はアメリカから同様の制裁を受けたことがきっかけで、第二次世界大戦の開戦へと方針を転換せざるを得なくなりました。こうした歴史からも、今、過去の日本と同じような状況にある北朝鮮を、これ以上追い詰めるべきではありません。

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