おもかげを探して どんど晴れ(22) 文・画 笹原留似子(おもかげ復元師)
誰でも起こしやすい心を問う民話――お地蔵さまの本心
あるところに信仰心の篤(あつ)いおじいさんがいました。おじいさんは、畑仕事に行く途中に川辺に立つお地蔵さまに、毎日、朝晩に手を合わせていました。
弱小チームから常勝軍団へ~佼成学園高校アメリカンフットボール部「ロータス」クリスマスボウル3連覇の軌跡~(8) 文・相沢光一(スポーツライター)
統制が厳しくなりがちな日本のスポーツ界で、アメリカンフットボールを好きになり、プレーを楽しむことで部員の主体性を育む文化が「ロータス」に根付いた。日本一に登り詰めたロータスのチーム力は、小林孝至監督一人が生み出したものではない。そこには、大勢の協力者の存在があった。
現代を見つめて(44) 平等なスタートライン 文・石井光太(作家)
平等なスタートライン
「官製ワーキングプア」という言葉をご存じだろうか。非正規雇用の公務員のことだ。現在、日本の市町村で働く公務員の三人に一人が非正規であり、“少なくない人々”が低所得に苦しんでいる。
内藤麻里子の文芸観察(3)
海外で起きた銃乱射事件のニュースに触れると、我々はとかく何人死傷者が出たか、事件の背景は何かに目を奪われがちだ。しかし、不幸にも現場に居合わせた人々というのはただ逃げるだけではなく、そのとき何らかの問題に直面しているケースもあったろう。そんなことを手の込んだ仕掛けで見せつけるのが、呉勝浩さんのミステリー『スワン』(角川書店)だ。