えっ、これも仏教語!?(8) 【だんな】旦那

サンスクリット語のダーナの音写です。正しくは「檀那」と書き、もともとは「布施」という意味ですが、日本では「布施者」「施主」を檀那と呼ぶようになっていきました。

「布施」と聞くと、布施袋に金銭を包み、寺院などに渡すイメージを思い浮かべる人が多いでしょう。仏教では、執着を捨てて、金品を与えたり、施したりすること(財施)のほか、相手のために尽くす身近な親切や社会福祉活動を行うこと(身施)、仏法を説き伝えること(法施)も「布施」にあたります。

財施・身施・法施といった布施を通して、人々に恩恵を与えてくれる人を「檀那」と呼ぶようになり、やがて、一家を支える男性に対する敬称として、「旦那」という言葉が使われるようになっていきました。

※参考文献
『くらしの中の仏教語』(冬樹社)/『仏教おもしろ小百科』(春秋社)/『えっ、これが仏教語?――日本語の中の仏教』(浄土宗)

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