「一食福島復興・被災者支援」事業報告会 東日本大震災から15年

一食平和基金の助成を受け、福島県の復興事業に取り組んできた各団体の代表が、2025年度に行った活動の成果を発表した
立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会(委員長=山中快之教務部長)が2014年から行ってきた「一食福島復興・被災者支援」事業が、25年度で終了を迎えた。これを受け、2月6日、「事業報告会」が福島県双葉郡大熊町の交流施設「linkる大熊」で開催された。助成を受けた団体の代表をはじめ、同基金運営委の関係者、県内7教会の教会長・会員ら約60人が参加。長期にわたる復興支援を振り返り、活動の成果や今後の課題を語り合った。
2011年3月11日の東日本大震災発生後、一食平和基金は岩手、宮城、福島の東北3県を中心とした被災地の支援に取り組んだ。
この中で、大震災での地震と津波、その後の東京電力福島第一原子力発電所の事故による未曾有(みぞう)の複合災害に見舞われた福島県では、14年から「一食福島復興・被災者支援」事業を開始。住民主体で復興事業を行う団体を支援し、被災地の自立を促進するもので、これまで54団体に1億円以上を拠出した。 同県では民間団体をはじめ、行政など多くの人々の尽力で復旧・復興が進められてきた。その結果、発災から15年を目前にした現在、取り組みの中心は被災者支援から、少子高齢化など他の地域と共通する課題の解決に移っている。復旧・復興を支える市民団体を応援する目的は一定程度達成したことから、同事業を終了することになった。
最終年度は、被災地における子育て支援やコミュニティーづくり、震災体験の継承に取り組むNPOなど10団体に計700万円を拠出。支援先の選定を担ってきたNPO法人うつくしまNPOネットワーク(UNN)に管理費150万円を寄託した。
復興支援の課題を共有
報告会では、同基金事務局長の秀島くみこ総務部主幹(渉外グループ)のあいさつに続き、UNNの鈴木和隆事務局長が同事業の概要を説明。「被災者や避難者が作った小さな団体の活動を充実させる」ことを目指し、人件費や物品の購入費など、幅広い用途で助成金を活用できるよう工夫してきた経緯を語った。

発表に立つUNNの鈴木事務局長(右)。被災地で活動する市民団体と連携をとり、支援事業をサポートしてきた
次いで、各団体の代表が活動報告を行った。このうち、認定NPO法人ウィメンズスペースふくしま(郡山市)の後藤美津子代表理事は、被災地で家庭内暴力(DV)に苦しむ女性が避難するシェルターの運営事業について発表。経済的基盤がなく自立が難しい入居者に対して、専門家による面談や生活支援を行い、自分の意思で今後の人生を歩めるようサポートに努めていると説明した。
後藤氏は「助成金を受けて、ボランティアで賄い切れない生活支援や同行支援の仕事を相談員に依頼できたことで、活動への信頼と責任感が生まれました」と振り返り、女性への暴力防止のために取り組みを継続していくと語った。
後半には、参加者を交えた意見交換の場が設けられた。「活動に関心のない市民を巻き込むにはどうすればよいか」といった各団体が向き合う課題のほか、地域の民俗芸能をコミュニティーづくりに活用するなど、復興を後押しする取り組みの事例が共有された。
最後に、同基金運営委員を務める佐原透修総務部次長(渉外グループ)が登壇。参加団体に謝意を表し、今後も全国各教会が「一食を捧げる運動」(一食運動)の浄財を地域の課題解決に活用できるよう、取り組みを推進していくと述べた。






