WCRP日本委 「新春交流レセプション」 クーリア国際委事務総長が登壇

WCRP国際委員会のクーリア事務総長(写真右)と日本委員会の戸松理事長によるトークセッションが行われた

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会主催の「新春交流レセプション」が1月31日、立正佼成会の法輪閣大ホール(東京・杉並区)で開催された。同日に行われた日本委の理事会・評議員会の出席者を含め、各教団の宗教者や賛助会員ら計262人が参加。本会から日本委顧問の庭野日鑛会長、同理事の庭野光祥次代会長らが出席した。

この集いは、WCRP/RfPの国際活動について理解を深めるとともに、宗教・学術界、NGOなどの関係者が交流し、さらなる活動の展開につなげるもの。当日は、トークセッションと交流レセプションの二部構成で行われた。

このうちトークセッションでは、昨年2月にWCRP/RfP国際委員会事務総長に就任したフランシス・クーリア・カゲマ博士(アフリカ宗教指導者評議会事務総長)が登壇。日本委の戸松義晴理事長(浄土宗心光院住職)がモデレーターを務め、対話形式で進められた。

平和の祈りを捧げる参加者たち

冒頭、戸松理事長が国際委の掲げるビジョンについて尋ねた。クーリア事務総長は、「大切なのは、平和と調和に基づいた新たな行動様式をつくること」と応答。世界では現在、戦争や紛争、環境破壊といった多くの危機が生じているが、その背景には個人の欲望を満たすことに主眼を置く自己中心主義のまん延があると語った。

こうした危機を乗り越えるには、地球上の資源を強者が独占するのではなく、一人ひとりが平等に“分かち合う”ことが不可欠だと強調。「分かち合う生き方に徹した時、本当の意味で健全な個人や社会というものが実現し、聖なるものを理解できるようになるのです」と説明した。

さらに、戸松理事長は、日本委の活動に期待を寄せる点について質問。クーリア事務総長は、長年にわたる賛助会員らの支援に謝意を表した上で、「赦(ゆる)し」「分かち合い」の精神を世界に向けて示すこと、宗教を軸とした倫理的・道徳的な価値を広めること、社会の変革に必要な資金面での支援が特に求められていると話した。

最後に、「今、世界が求めている変革をもたらすため、皆さんと一緒に神さまに祈ります。自分たちのためではありません。世のため、人のために力をお与えください」と述べた。

まとめに立った戸松理事長は、「宗教や文化の違う私たちが、平和という共通の目的のために行動する上で大事なのは、それぞれの聖なるものに基づいて考え、行動することだと学び、感銘を受けました」と語った。