みんなでつくった夏の思い出 各地で多彩な青少年活動 活発に

花笠まつりのパレードに参加した山形教会。きらびやかな傘を回すシャンシャン傘踊りを披露し、観客を魅了した

盛夏の中、全国の立正佼成会各教会では、地域の夏祭りへの参加、環境や平和についての学習会など、新型コロナウイルス感染症の対策を施しながら、さまざまな青少年活動が繰り広げられた。各地での主な活動を紹介する。

山形教会 花笠まつりに出場 市中で華麗な舞を披露

山形県を代表する紅花が彩られた笠を手で回し、「ヤッショ、マカショ」の祭り囃子(ばやし)にのって踊り手が市中を舞う。コロナ禍で中止となっていた「山形花笠まつり」(8月5日から7日に開催)のパレードが今年、3年ぶりに復活した。1963年の初開催から参加している山形教会も出場し、華麗な踊りを披露した。

6日夕、感染対策で掛け声は禁止となったが、スピーカーから流れる「花笠音頭」の歌声が山形市内に響き渡る。祭りの熱気に包まれる中、山形教会と応援に駆けつけた東北支教区の会員約70人が着物や法被に身を包み登場した。花笠が優美に舞う「正調花笠踊り」をはじめ、鮮やかな傘を回転させる「シャンシャン傘踊り」や「笠回し」、マトイ・万灯みこしを披露。ゴールまでの約800メートルを踊り歩いた。感染対策を取った多くの観光客や市民が沿道から身を乗り出してパレードを楽しみ、汗だくで踊りを終えた参加者に盛大な拍手を送った。

シャンシャン傘踊りに参加した女性会員(31)は、「体を壊した祭り好きの祖父の思いも共に参加しました。3年ぶりに出場し、山形の夏はやっぱり花笠だと実感しました。私も教会の人もお客さんも皆さん笑顔になれて、うれしかった」と語った。

花巻教会 親子で「こけ玉」作り 身近な自然に触れて

親子でこけ玉作りに取り組み、身近な自然に触れるひと時を過ごした(写真・花巻教会提供)

子供たちが身近な自然に触れ、いのちの尊さを学ぶことを目的に、花巻教会少年部は8月7日、「こけ玉作り」を教会道場で行った。会場の様子はオンラインでも配信され、その視聴者を含めた幼児や小学生、保護者ら26人が参加した。

当日、子供たちは家族と共にこけ玉作りに取り組んだ。用意された材料はツル性植物のアイビーの苗、土、こけ、糸の4点。子供たちは手順の説明を受けながら、アイビーの根を土で包み、玉の形に整えていく。さらに、その上からこけを巻いて糸でくくったら完成だ。

完成後にはプラスチック製の目玉を付け、人形のように親しみやすい形に仕上げた。夢中になって取り組んだ子供たちからは「このこけ玉かわいい」「上手にできた!」などと声が上がり、会場は笑顔に包まれた。

少年部長(48)は子供たちに、「アイビーの花言葉は『友情』『絆』です。こけもアイビーも生きているので、お水をあげて大切に育ててください」と呼びかけた。

参加した少年部員(11)は、「久しぶりにみんなで集まれてよかったです。こけをきれいにつけるのが難しかったけれど、今まで作ったことがないものを作れて楽しかったです。お花が好きなおばあちゃんにプレゼントしたい」と話した。

京都、福知山、泉州、奈良教会 絵本から平和の尊さ学ぶ

8日は京都教会少年部員が司会と朗読を担当し、絵本の読み聞かせを行った(写真・同教会提供)

絵本の読み聞かせを通じて子供たちが平和の心を育み、本当の平和とは何かをつかむきっかけになればとの願いから、京都教会少年部は8月7日から14日の毎夜、福知山、泉州、奈良の3教会と合同で「オンライン平和学習会」を開催した。同15日の「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典までの期間中、各教会の少年部員が司会と朗読を2日ずつ担当。小学生と保護者、青・壮年部員など延べ375人が視聴した。

初日の7日、夜8時に開始した学習会では、この日を担当する福知山教会の少年部員たちが冒頭、視聴者と共にウクライナ情勢の平和的解決を願い黙とうを捧げた。この後、同教会少年部員2人(ともに10歳)が絵本『へいわってすてきだね』(ブロンズ新社)を交互に朗読した。

この絵本は、平和が単に戦争のない状態だけではなく、個人のあらゆる自由と幸福が実現する状態を示すことを分かりやすく伝えるもの。朗読の後には視聴者と一緒に感想を語り合った。この中で、朗読した少年部員の一人は、「絵本を読んで、戦争はいけないと改めて思った。私の身近にある小さなけんかでも、それが戦争につながると分かったので、争わないように気をつけたい」と、自身の平和に対する思いを話した。

翌日以降の学習会では、不戦の誓いや人権の尊重、戦争犠牲者の遺族の気持ちなど、幅広いテーマの絵本をもとに読み聞かせが行われ、平和について話し合われた。

最終日を終え、今回の取り組みを企画した京都教会少年部長(49)は、「次世代を担う子供たちが朗読に込めた平和を希求する思いは、私たち大人の胸に響きました。世界から人々の争いの心が消え、真の平和が訪れるよう、まずは参加した皆で平和な心の維持に努めたいです」と話した。

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