TKWO――音楽とともにある人生♪ ホルン・小助川大河さん Vol.2

中学・高校時代にホルンの幅広い音域と音色の多様性に魅了され、恩師たちの影響もあってオーケストラのホルン奏者を目指した小助川大河さん。日本とドイツの音楽大学で学び、エキストラとして留学先のドイツのオーケストラで演奏する機会を得るなど、着実に夢を実現していった。今回は、オーケストラから吹奏楽に身を置くようになった経緯を中心に紹介する。

吹奏楽の世界に引き寄せられ

――オーケストラのホルン奏者として、留学先のドイツで着実に歩みを進められていたのですね。その後は?

ワイマール・フランツリスト音大を卒業してすぐに帰国し、札幌の実家に戻りました。それから、大学時代を過ごし、オーケストラに入団した先輩もたくさんいる愛知県に移り、やがてセントラル愛知交響楽団に契約団員として所属しました。この楽団では、定期演奏会のほかに、一管編成のオーケストラや二管編成による音楽教室での演奏会、ミュージカルやバレエ、番組収録といったコンサートなどに出演でき、あらゆる種類の業務や技能にチャレンジすることができました。良い経験をさせて頂いたことに感謝しています。

その頃、私の心に大きな変化が訪れました。このままオーケストラでホルン奏者を一生続けるのも良いけれども、吹奏楽団に身を置いてみたいと思うようになったのです。吹奏楽は、その歴史がオーケストラよりも浅いですが、クラシック的な曲もあればジャズ調のもの、ビッグバンドのものなど、とにかくジャンルが幅広く、毎年、世界中で新しい曲が誕生します。そうした新鮮さを味わえる吹奏楽の世界で音楽を究めたいとの気持ちが日ごとに強くなり、ついに吹奏楽団に正式に所属することを目指すようになりました。

――それで佼成ウインドのオーディションを?

そうです。ちょうどその頃、タイミングがいいことに、佼成ウインドでホルン奏者を募集するオーディションがありました。受験前に、この楽団のいろいろな音源をたくさん聴いて、求められている演奏などを考えるうちに、佼成ウインドの音楽のクオリティーの高さにとても驚きました。そして、中学時代に聴き入った吹奏楽のCDが佼成ウインドのものだと分かったのも、実はこの頃です。楽団としての音楽の表現方法や音色づくりも、私の好みにピッタリだったということもあり、この楽団に入りたい気持ちがどんどんと膨らんでいったのです。

しかし、そうした気持ちとは裏腹に、一次と二次のオーディションとも、自分の力を出し切れず、演奏に対して悔いしか残りませんでした。それにもかかわらず、最終的に合格し、入団することができました。理由は何だろうと考えたのですが、演奏の能力だけでなく、「佼成ウインドが好きで、ここで演奏したい」という気持ちは誰にも負けないものがありましたから、そうした自負と熱意が勝ってのことだったからだと思っています。

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