TKWO――音楽とともにある人生♪ ホルン・小助川大河さん Vol.2

魅力的な演奏を生むために

今年8月に杉並公会堂で行われたファミリーコンサート

――佼成ウインドでは、どのような役割を担っているのですか?

佼成ウインドでは、私は「2番ホルン」と呼ばれる立ち位置です。2番ホルンとは、なかなか一筋縄ではいかないパートなんです。というのは、隣の1番ホルンを支えるような役割があるかと思えば、他のパート、例えばトロンボーンやファゴット、3番クラリネットとのつなぎ役を担うこともします。

さらに、オーケストラと違って、吹奏楽では1番ホルンと同じパートを吹くこともあります。同じパートを吹きながら、2番ホルンは、1番ホルンのためになるには何をすべきかを考えもするのです。

このように、役割が多くてなかなか難しいのですが、そこがまた面白い。これが、2番ホルンの魅力です。今という一瞬を大切にしつつ、次の演奏も同時に考えるという、結構大変なことをしています。そうした中で自分のパートを音楽的に吹かなくてはいけないのが2番ホルンの役割です。

――演奏時に心がけていることは?

第一に考えるのは、お客さまを楽しませることです。そのことだけを考えて、日々の練習を通して自分の演奏に磨きをかけていると言っても、決して過言ではありません。ですから、いつもハイクオリティーの演奏を行うこと、すなわち「音楽的に音楽を演奏する」ことを心がけています。具体的には、譜面に隠された、作曲家やアレンジャーの意図をくみ取り、曲に込められた思いを自分なりに解釈し、それを丁寧に表現することです。そうした積み重ねによって、より魅力的な演奏が生まれます。

実際に、音が並んだだけの、音楽的な表現がない演奏は、正直つまらないですし、主体的な表現が乏しい演奏は聴衆を魅了できないのではないでしょうか。音楽的な演奏を追究することが、プロの音楽家として非常に大事なことだと思っています。佼成ウインドは誰もがそのことを追求してきたと感じていますし、音楽に非常に優れ、人間的にも気品あふれる尊敬すべき先輩方に追いつくために、怠らずに努力しなければと自分に言い聞かせています。

プロフィル

こすけがわ・たいが 1986年、札幌市に生まれる。2008年に愛知県立芸術大学音楽学部を卒業して1年後に渡独した。その後、ワイマール・フランツリスト音楽大学に入学し、14年9月卒業。同大在学中に、オーケストラであるシュターツカペレ・ワイマールの契約団員として活動した。帰国後は15年からセントラル愛知交響楽団の契約団員として演奏に参加。17年12月より東京佼成ウインドオーケストラに正式に入団した。