「全米布教60周年記念サンガの集い」ラスベガスに会員300人が参集

光祥次代会長は、仏教の「自我を取る修行」を繰り返し説き、菩薩の生き方をしていく大切さを示した

「全米布教60周年記念サンガの集い」が7月27日(現地時間)、米ネバダ州ラスベガスのホテルで挙行された。同国で組織的な布教がスタートしてから60年の節目を祝う今回のテーマは『Cultivating Joyful Encounters~悦(よろこ)びの出会いを育む~』。全米の立正佼成会の各教会などから参集した300人を前に、庭野光祥次代会長が講話を述べた。

本会による米国での布教は1959年に始まり、ロサンゼルス教会が元となってサンフランシスコ、シアトルなどに拠点がつくられた。当初は日本人の会員がほとんどだった。2007年には、現地での布教環境の充実を目指す北米国際伝道センター(RKINA)を設置。現在、法人格を取得した8拠点を中心に、約1400世帯の会員が教えを基にその実践に励む。

近年は、英語による布教が活発に展開されて日本人以外の会員が増加。現地で人気が高い瞑想(めいそう)の講座、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した布教なども実施されている。

「全米布教60周年記念サンガの集い」は、米国の会員が一堂に会してサンガ(教えの仲間)との出会いに感謝し、「米国立正佼成会の理想像(Vision)を共有し、これからの発展の序(いとぐち)とする」ことが目的。当日は、齋藤高市国際伝道部部長のあいさつ、60年の歩みを紹介する映像作品の上映に続き、クリスティン・ラドソー・オクラホマ教会長が基調講演に立った。

ラドソー教会長

ラドソー教会長は、仏の教えを実践する意義に触れ、「解決困難な問題を抱えながら生きていくための勇気と柔軟性が培われる」と説明。教えに沿った生き方をするには「人さまのために尽くす」ことが重要であり、慈悲と感謝の心を持って人と触れ合う大切さを強調した。

次いで、シアトル支部の女性会員(44)、ロサンゼルス教会の男性会員(45)、ハワイ教会の女性会員(59)、サンアントニオ支部の男性会員(62)が体験説法を行った。

この中で、ロサンゼルス教会の男性会員は、5年前に職場で起きた死亡事故に居合わせて心的外傷(トラウマ)を抱え苦しんでいた時、教会長(当時)の勧めで読経供養を始め、不思議と心が落ち着いた体験を披歴。後に教学研修を受け、「煩悩にとらわれない心を育てる」という信仰の目的を確立できた喜びを発表した。

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