WCRP/RfP日本委 ノーベル平和賞を受賞したICANのフィン事務局長と懇談
世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は1月18日午前、昨年のノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長と都内のホテルで懇談した。同日本委核兵器禁止条約タスクフォース責任者の中村憲一郎氏(立正佼成会常務理事)をはじめ、同タスクフォースのメンバー3人と國富敬二同日本委事務局長が出席。ピースボート共同代表でICAN国際運営委員の川崎哲氏が同席した。
スイス・ジュネーブに本部を置くICANは、101カ国から468団体(2017年11月現在)が加盟する国際NGOネットワーク。核兵器を包括的に禁止する条約の制定に力を注ぎ、昨年9月に国連で採択された核兵器禁止条約の成立に大きく貢献したことで、ノーベル平和賞を受賞した。
同じく核廃絶を目指すWCRP/RfP国際委員会と同日本委はこれまで、ICANと協力し、連携を図ってきた。昨年3月には、ニューヨークの国連本部で行われた第1回核兵器禁止条約の制定交渉会議に合わせ、ICANと合同で『核兵器禁止条約交渉ハンドブック』を発刊した。
さらに、9月20日の核兵器禁止条約の署名式に際しては、各国の署名を促すため、各国の宗教者や市民活動の代表者などに宛て、同国際委とICAN連名の書簡を送付した。両団体は現在、条約の早期発効を目指し、各国の国会議員に協力を求めている。
懇談では冒頭、中村氏があいさつ。ノーベル平和賞受賞に祝意を表し、核兵器禁止条約が採択されたことは、「人類の未来に一筋の明るい希望をもたらした」と語った。その上で、被爆国である日本が同条約の採択に参加せず、署名しなかったことに対し、遺憾の意を表明。「核の非人道性を目の当たりにした日本こそ、世界で最も核の廃絶に尽力すべき国」と述べ、今後も政府関係者などに同条約の署名や、核廃絶の推進に努めていくと強調した。
この後、出席者のコメントを受けたフィン事務局長がスピーチ。WCRP/RfPの協力に謝意を表した上で、「宗教団体は社会で最も影響力のあるファクター」と指摘。合同で発刊したハンドブックが、核廃絶キャンペーンを進める上で効果的な役割を果たしたと紹介した。
今後の取り組みとして、同条約の発効を目指し、加盟国を増やすとともに、条約への参加に消極的な国に核廃絶の必要性を訴え、政策転換を働きかけていくことが大切と説明。その重要な役割を担う一つが日本であり、「国際的なネットワークを生かしながら、キーパートナーである宗教指導者の皆さんと、一層、協力して取り組みを進めていきたい」と述べ、「今回、ICANがノーベル賞を受賞しましたが、パートナーである皆さまも受賞されたのと同じです」と結んだ。
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