WCRP/RfP日本委 ノーベル平和賞を受賞したICANを祝し談話発表

今年のノーベル平和賞に「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が選ばれたことを受け、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は10月10日、杉谷義純理事長名の談話を発表した。タイトルは『核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞を祝して』。

ICANは、スイス・ジュネーブに本部を置く国際NGOネットワーク。核軍縮が停滞する中、核兵器を包括的に禁じる条約の制定に力を注ぎ、今年、国連で採択された核兵器禁止条約の成立に大きく貢献した。この中で、広島、長崎の被爆者の体験や訴えを世界に伝える役割も果たした。

核兵器の廃絶を目指すWCRP/RfP国際委員会と同日本委は今年3月、ニューヨークの国連本部で行われた第1回核兵器禁止条約の制定交渉会議に合わせ、ICANと合同で『核兵器禁止条約交渉ハンドブック』を発刊。核兵器の非人道性を示し、全人類のために法的に禁止する必要性を提言した。また、9月20日の核兵器禁止条約の署名式に向け、同国際委とICANは連名で、各国の宗教者や市民活動の代表者などに書簡を送付し、広く参加を呼び掛けた。さらに両団体は現在、条約の早期発効を目指し、各国の国会議員に協力を求めている。

今回発表された「談話」では冒頭、「核兵器の禁止・廃絶に向けて理念、活動をともにしてきたパートナーとして、この栄えある受賞を共に喜び、分かち合いたい」と賛辞を送った。また、核兵器の廃絶に向け、国連などとの国際交渉をはじめ、NGOや市民社会と連携を図り、活動を継続してきたことに触れ、「今回の受賞はICANのこうした地道な活動が、本年の核兵器禁止条約の実現に大きな貢献を果たされたため」と功績を称えた。

さらに、ICANがノーベル平和賞を受賞することは、「核なき世界」の実現に向けて大きな前進であり、「その実現をめざす人々に多大な勇気を与えるもの」と明示。その上で、同日本委は宗教者として、さまざまなネットワークを通じて自らも、「核なき世界」の実現に尽力する決意を改めて表明した。

『核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞を祝して』
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