ウクライナ侵攻1年――全国各教会の支援活動から

折り鶴アート作品「希望」には、子供たちから高齢者まで、皆の、世界の平和と身近な人を思う気持ちが込められている

文京教会 希望へ羽ばたく折り鶴アート 平和を願い、心の交流育む

文京教会は昨年末、ウクライナの平和を祈願し、会員らから寄せられた約1万羽の折り鶴でアート作品を制作した。

発端は昨年5月にさかのぼる。川野光代教会長は〈信者さんたちは日々平和を願ってご供養をし、会員綱領を唱えている。その思いを具体的な行動につなげたい。一人も取り残すことなく、少年部員から高齢の方までみんなが参加できるもの……〉と思案し、鶴を折って、一つの作品にしてみてはと思い至った。それを教会役員に伝えると、皆が賛同。デザインなど細かな部分は未定だったが、「まずは取り組んでみよう」と、折り鶴アートが始動した。

教会で準備した7センチ角の折り紙を、支部長が中心となり会員宅へ届けて参画を呼びかけた。折り紙を預かった会員は、家族や近隣住民にも声をかけて折り鶴を作った。教会役員や「健幸行」のため教会に訪れた会員は、会計室や法座席で鶴を折った。

平和を願う思いは、身近な人の幸せを願う気持ちを引き起こした。ある高齢会員は昨年亡くなった娘を思って、また、ある会員は家族の病気平癒を願って、壮年部員は休職中の娘と共に教会を訪れ、心の平安を祈って鶴を折った。心を込めて折った鶴は、秋口には約1万1000羽になった。

アートデザインの考案と制作は、教務部長(46)と青年婦人部長(39)を中心に、婦人部のスタッフら7人が担った。

115センチ×190センチのパネルに、1羽1羽、糸を通してつないだ折り鶴を並べていく。制作途中で何度もデザインを変更し、その度に鶴の配置を変えた。一からやり直したこともある。それでも、「皆さんの平和への思いをより良い形にさせて頂きたい一心でしたから、新しい発想が生まれてくるのは楽しいものでした。日常の出来事をざっくばらんに話す中で制作者同士の心の交流ができ、また、それぞれの個性が発揮できてうれしかったです」と、婦人部長は語る。

昨年末、人々の祈りが結実し、「希望」の文字を描いた作品が完成。川野教会長はこう語る。

「みんなに希望を届けたい。私たちも希望を持って生きていきたい。その願いが作品になりました」

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