誰一人取り残さない――「持続可能な開発目標」(SDGs) よりよい世界、未来を願い 一人ひとりが継続した取り組みを
持続可能な未来をつくる実践 世界が達成すべき「17の目標」から
紛争、貧困、飢餓、気候変動など人類は今、さまざまな危機に直面している。こうした課題を解決していくため、2016年から2030年までの15年間で、世界が達成すべき17のゴールを表したものが「持続可能な開発目標」(SDGs)だ。各ゴールの達成に向けて、日々の暮らしの中でできることを紹介する。また、昨年から「脱プラスチック」を実践する豊田教会学生部長(33)に取り組みへの思いを聞いた。
平和のために祈る
世界の全ての人が「大いなる一つのいのちに生かされた同根の兄弟姉妹」です。戦争や紛争、貧困や飢餓、自然災害によって困難な状況に置かれている人々の苦しみ、悲しみを「自分事」として受けとめ、毎日のご供養を通して世界が平和になるように祈りを捧げます。
本会では、毎月1日と15日に一食を抜いて空腹感を味わい、その食費分を献金して支援活動に役立てる「一食(いちじき)を捧げる運動」を進めています。この運動に込められた「同悲」「祈り」「布施」の精神をかみしめ、一人ひとりが分かち合いの行動に取り組んでいきましょう。
買い物の際は「エシカル消費」を
SDGsには、生産者や消費者に対して「つくる責任 つかう責任」(目標12)が掲げられています。買い物の際にマイバッグを使うとともに、「自然環境を守る」「強制労働や児童労働といった搾取をなくす」「被災地を支援する」といったことを推進するため、そうした社会的課題に取り組む事業者を消費行動を通して応援することも、「エシカル消費(倫理的消費)」として注目されています。
将来世代に水産資源を残すため、環境に配慮した漁業で調達されたことを表す「MSC認証」の商品や、児童労働や強制労働、不当な価格での取引ではないことを示す「国際フェアトレード認証」の商品などの購入もSDGsの目標につながります。また、障がい者支援につながる生産品、地元でつくられた品を選ぶことも同様です。
政治に関心を持つ
よりよい世界や未来を築いていくためには、自身の足元の暮らしから、地域、社会、国家、世界へと広く関心を持っていくことが重要になります。特に気候変動に対する国際条約や、人権に関わる法律の制定などは、国家がその役割を担っており、SDGsでは政治が果たす役割が大きいのです。ですから、よりよい政治が行われるように、一人ひとりがしっかり目を向けていくことが大切です。有権者であれば、選挙で、平和への願いを託せる候補者に一票を投じることができます。
また、現在は、SNSといったインターネットのさまざまなツールを活用して、個人でも情報を発信することができます。仲間と情報を共有して共に意識を高めながら、SDGsの取り組みの輪を広げる、さらには協力者を募りながら社会的なムーブメントを起こすといったことも可能です。
いじめや差別をしない、させない
SDGsが目指しているのは、誰一人取り残さない平和な世界です。いじめ、誹謗(ひぼう)中傷、差別をなくしていくことも大切な取り組みの一つです。いじめについては、まずは「いじめはしない」という意識を持つことが大切です。そして、「いじめをなくしていこう」と呼びかけてみる、もし「いじめ」を見かけたら信頼できる人に相談するといったことも考えられます。また、共生を実現するため、ジェンダーギャップをなくし男女平等を実現する、障がい者との共生を進める、外国人差別をなくすといったことが求められています。困っている人、苦しんでいる人がいたら手を差し伸べて、温かな人間関係を育み、全ての人が幸せを実感できる社会に、自分の身の回りから取り組んでみませんか。