誰一人取り残さない――「持続可能な開発目標」(SDGs) よりよい世界、未来を願い 一人ひとりが継続した取り組みを

「脱プラ」生活を習慣に 地球や未来への責任深め 豊田教会学生部長に聞く

――生活の中で、使い捨てのプラスチック製品をなるべく使わない脱プラスチック(脱プラ)に取り組んでいるそうですね

妻と一緒に、ペットボトル飲料やプラスチック包装のお菓子を買わない、レジ袋を使わないことを心がけています。きっかけは、昨年4月に、『脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流』(堅達京子、NHK BS1スペシャル取材班著)という本を読んで大きな衝撃を受けたことです。本には、海中のプラスチックごみをエサと間違えて食べた海の生き物が大量に餓死しているとありました。さらに人も、魚や岩塩、ミネラルウォーターを介して1週間でクレジットカード1枚分のマイクロプラスチックを食べていると書かれていました。人間がこのままの生活を続けると、2050年には海中のプラごみが海にすむ全ての魚の量を超えるとのことでした。

学生部長夫婦愛用のマイボトルとエコバッグ。それぞれかばんに入れて持ち歩く

川や海へのポイ捨てだけでなく、目の前に落ちているごみが風に飛ばされて海に流れ、その結果として生き物の命を奪っている現状に対し、何かせずにはいられなかったのです。書籍や、インターネットの動画でプラごみの問題をさらに勉強し、自身の生活でごみを減らすようにしました。

――飲みたい物、買いたい物を我慢するわけですね

元々、炭酸飲料が好きで、ペットボトルのものを一日1本は必ず買って飲んでいました。ですから当初は、使い捨てのプラスチック製品を買わないようにと、意識していました。それがだんだんと習慣になり、次第にそうした商品は目に入らなくなりました。代わりにジュースを買うなら缶やびんに、お菓子なら紙包装のものを選ぶようにしています。

一日で考えると、ペットボトル1本を減らすだけにすぎませんが、1年にすると365本になり、妻の分も足すと730本のプラごみを削減できるんです。そう思うとうれしくなり、もっと減らしたい、との思いが高まります。

――ペットボトル飲料を買わないことは、エコにどうつながるのですか

一つは、直接的に家庭から出るプラごみの量を減らすことができます。もう一つは、SDGsの目標12、「つくる責任 つかう責任」に当たると考えています。消費者である私たちが使い捨てのプラスチック製品を買わないことは、生産する企業への意思表示にもなります。海外の飲食チェーンでは、7歳の子供が店でもらえるプラスチック製のおもちゃに抗議したのをきっかけに、自然環境に与えるプラごみの影響に関心が集まり、その企業は提供をやめたといった例もあるようです。ペットボトル飲料を買わないことで、地球や未来に対しての責任という意識が社会に広がることになるかもしれません。

――脱プラの啓発にも取り組んでいるのですか

教会や職場で情報を発信しています。教会では、昨年の「青年の日」に“トヨダ地球防衛隊”という名称で啓発動画を製作しました。家庭ごみを減らすための「5R」(不必要なものは断る、必要なものを減らす、買ったものは繰り返し使う、リサイクルする、堆肥化する)の大切さを伝えるものです。これまでに3本の動画を製作し、青年だけでなく、他の会員さんたちにも見て頂いています。

職場で、環境問題を勉強していると伝えたところ、年に4回、研修の機会を頂きました。

サンガ(教えの仲間)や同僚からは、「炭酸水を買うのをやめて炭酸水メーカーに切り替えたよ」「意識しなければいけないね」といった反響を頂き、声を上げる大切さを感じています。

――1年間続ける中で、生活や心境に変化はありましたか

取り組みを始める前は、単に「食べたい」「欲しい」という欲求から買い物をしていましたが、「脱プラ」を意識して生活するうちに、「これは生きる上で本当に必要か」と一度自分に問いかけて買うようになりました。購入の判断基準が変わり、買い物が減り、生活は簡素になったと思うのですが、不思議と豊かさを感じ、充実感があります。一生懸命になれる活動を見つけ、続けられていることが自信にもなりました。

取り組みを始めてから、開祖さまのご法話の中に、「いま、人類にとって最大の問題は、地球環境の危機です」という一文を見つけました。開祖さまも環境問題を大変危惧されていたことを知り、さらに背中を押して頂いたように思います。また、脱プラを始めた時は想像もしていなかったのですが、取り組みを始めたことで、いつしか「無駄なものを省く」「必要のないものは買わない」という生活スタイルを身につけることができました。「少欲知足」に通じていると強く感じ、信仰者として実践できる喜びをかみしめています。

これからも地道に続けていきたいと思います。