『我汝を軽しめず』を拝読して 開祖さまの教えを学び

開祖さまに励まされ実践を決意

舞鶴教会女性会員(77)

12年前に夫(77)が定年退職してから、夫婦で過ごす時間が増え、会話も多くなりました。でも、夫はボイラー音が響く夜遅くに入浴することもあり、一緒にいる分、そうした夫の生活に少しずつ不満が募っていきました。今年はコロナ禍による自粛生活で、これまで以上に夫の行動が目につき、とがめることが増えたのです。

そんな時、自宅で『我汝を軽しめず』を拝読しました。「『相手を変えよう』『変わってほしい』と望むよりも、自分がふれあい方を変えていくと、明るい気持ちで過ごせる時間が早く訪れます」という一節を読み、ハッとしました。私のいら立ちは、夫を思い通りに動かしたいという心の表れだと気づいたからです。

さらに読み進めると、何事も「お陰さま」と受けとめる信仰者の姿勢が示されていました。そうした生き方をしてほしいと開祖さまに励まして頂いた気がし、家庭での教えの実践を決意しました。

それからは不満が募ると一呼吸おいて触れ合うことを心がけています。すると相手の立場で物事を考えられるようになり、小言の多い私を受け入れ、支えてくれる夫に感謝の念が湧きました。

時には、思わず愚痴を言ってしまうことがあります。そのたびに「ごめんね」と伝えると、夫も自らの行動を省み、改めてくれるようになりました。心を交わすことができ、今、とても有り難い気持ちです。

教会では、拝読したサンガが喜びや感想を未会員の方に伝えたところ、本を求める方が増えているそうです。開祖さまは、教えを実践すれば「仏の智慧(ちえ)」を体得できると示されています。私はそれを目標に今後も繰り返しご著書を拝読して、信仰で得た喜びを出会う人々に伝えていきます。

日々をより良く生きるための糧

鹿児島教会主任(52)

『我汝を軽しめず』を朝夕のご供養の後に一編ずつ読み、毎日の指針にさせて頂いています。

きっかけは、職場での人間関係の悩みです。明るい職場が、4月に新しい上司が着任し、一変しました。上司は強い口調で部下に接するため口論が増え、職場の空気が暗くなりました。私は毎日がつらく、自分を安定させ、何とか状況を変えたいと思ったのです。

毎日の拝読で自分を見つめ、この縁をどう受けとめればよいかと考えました。次第に、これまで楽しかったのは周囲の人が私に合わせてくれていたからで、今回のことは、私が自ら人間関係を築いていく機会を頂いたのだと思えるようになりました。

「人さまの心を明るくする」の編で和顔愛語の大切さを学んだ日は、明るく上司に接しようと心がけました。「『久遠実成の仏さま』は、いつも私たちと一緒にいてくださいます」とのお言葉には安心感を頂きました。

上司の言葉を先入観なく受けとめてみようと、前向きに行動できるようになっています。つらい日には、朝の拝読で心に残ったフレーズを暗唱し気持ちを落ち着かせています。すると、今、必要な心構えを頂いているのだと感じられるのです。

最近拝読した自戒についてのご法話には、「『わがまま』が通るということは、じつは不幸なことなのです」と説かれていました。その日は、私の中に「嫌な上司の行動を変えたい」という気持ちがあったのかもしれないと振り返ることができ、改めて、出会う人の仏性を礼拝(らいはい)できるように成長したいと願いました。

新たな気づきを頂けるご著書。日々をより良く生きるための糧です。

MEMO
『庭野日敬平成法話集』は、平成元年1月から同10年11月までの機関誌「佼成」に掲載された庭野日敬開祖の法話を編纂(へんさん)したもので、教団創立八十周年記念事業の一環として一昨年、刊行が始まった(第1巻は『菩提(ぼだい)の萌(め)を発(おこ)さしむ』)。第2巻『我汝を軽しめず』は、四六判276ページ、1600円(税別)。9月1日から全国各教会での取り扱いが開始された。書店かインターネット通販でも購入できる。電子書籍もある。
同書特設サイト https://kosei-publishing.jp/heisei-houwa.html