WCRP/RfP 第10回世界大会宣言文(仮訳)

閉会式の席上、黒住教の黒住宗道教主をはじめ11人が大会宣言文を読み上げた

8月20日から23日まで、ドイツ・リンダウで行われた世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)の第10回世界大会では、世界の諸問題の解決に向け、宗教者が共に果たすべき行動を表した大会宣言文が採択された。WCRP/RfP日本委員会から発表された大会宣言文(仮訳)を紹介する。(写真提供=WCRP/RfP日本委員会)

前文

我々900人の女性、男性、そして青年宗教者は125カ国から、WCRP/RfPの第10回世界大会に参加するためドイツ・リンダウに結集した。WCRP/RfP創設以来49年間、我々は平和構築に力を注ぎ、社会的弱者のために声をあげることを決意し、取り組んできたことを我が喜びとする。我々は慈悲と愛による連帯である。我々はWCRP/RfPが挺身(ていしん)する「共なる行動」の連合体であり、その活動はさらなる拡大と成長を遂げ、輝きを増している。しかし、その一方で、宗教コミュニティがさまざまな大小の事例において、その力を十全に発揮できなかったことに、我々は悲しみを禁じ得ない。宗教の悪用、とりわけ暴力と憎悪をあおることを目的に宗教が曲解され、利用されてきた事実に我々は胸を痛める。我々は連帯して宗教の違いを尊重し、人々が求めてやまない平和のために奉仕する。我々は希望を分かちあい、すべての人間が公共の利益を守る責務を分かちあい、他者を慈しみ、地球を大切にし、そしてつながりあうすべてのいのちを愛することを、聖なる存在から求められていることを共に確信し、ここに結集した。

人類家族が背負っている重荷を我々は深く認識している。戦争がいかに無辜(むこ)の人々の生命を奪い、心身を傷つけ、その生活を破壊するかを、我々は知り尽くしている。極度の貧困がいかに人々の生活を阻害し、人々に屈辱を与え、搾取するか――人々を押しつぶすその重みを我々は知っている。我々人類家族の1割は絶望的な貧困状態に置かれている。7000万人以上の人々が、心安らぐ故郷の家を奪われ、難民、国内避難民となっている。さらに、移住を強制されている人々もいる。核兵器の近代化、宇宙および人工知能の軍事利用、新エネルギー兵器の開発などによって、新たな軍拡競争が始まったことも我々の知るところである。地球温暖化の悪化、熱帯雨林の破壊、海洋汚染、そしていのちのつながりの断絶と相まって、人類家族が負う重荷はさらに深刻なものとなりつつある。

また我々は、国際連合や、人権・法制度・国際貿易について定めた国際協定を支える近代的秩序に対する「枠組みを超えた危機」に直面している。あらゆる形態の自由と少数派の保護、我々の連帯の構造が世界中で攻撃の的になっている。経済面では、ほんの一握りの富裕層が、経済的に恵まれない40億人よりも多くの富を所有している。こうした政治・経済的側面の危機に加え、今日、我々は「真実」の危機に直面している。「フェイクニュース」が政治的・商業的利益のために利用される一方で、「真実」の概念が攻撃の対象になっているのである。今日、我々は、不都合な真実と、都合のよい作り話との間で右往左往している。もう時間は残されていない。我々は速やかに行動しなくてはならない。

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