第10回フォコラーレ大志・交流使節団 信仰の役割見つめ、平和に向け協動

ロッピアーノを訪れ、フォコラーレの青年と交流。出会ってすぐに、“兄弟姉妹”のように打ち解けた

参加者の声

信頼と平和の輪を広げて

女子大学生(20)=札幌北教会
「違いがあるからこそ、一致がある」。バチカン諸宗教対話評議会でのソロ神父さんの言葉がとても印象に残っています。世界に全く同じ人間というのは、誰一人いません。違いを前提に人と付き合うことが大事だと改めて気づかされました。「あなたは私とは違うから」と離れてしまっては、いつまでも平和の道を歩むことはできません。対話を重ねて、共通点を見つけ、違いを理解した上で、相手を尊重し共にいるという“一致”を学べて良かったと思います。今回、フォコラーレの方々と触れ合う時に、相手は自分のことを一生懸命伝えてくださって、私のことも知ろうと笑顔で話し掛けてくれました。そうして、信仰観の違いや、「愛」と「慈悲」という共通点を見つけることができました。お互いに歩み寄ることで、信頼関係が築け、小さな平和の輪が広がるのを実感したのです。私も、日本に帰り、自分の周りからこの輪を広げていきます。

自分を知り愛する努力を

男子大学生(19)=静岡教会
フォコラーレには、「全ての人を愛しなさい」という教えがあります。全ての人を愛することは難解なように思いますが、出会った方々は周囲の人たちにも、僕たちにも愛を持って接してくださいました。「どうしてそれができるのか?」と考えていた時に、ある一人の青年が、「自分で自分を愛することができなければ、他人を愛することなんてできないし、誰からも愛してもらうことができないよ」と教えてくれました。“全ての人”には、自分も含まれていたことにハッとしました。渡航前に、身近な人から否定されることが続き、臆病になって、自信を失っていました。自分を愛することが自信を持つ一歩になります。また、人間関係では、相手のことをよく知っていくと、愛が生まれます。自分を愛せていなかったのは、自分のことを知らなかったからだと思いました。フォコラーレの青年たちは自分のことをよく知っているようでした。自分を知り、愛する努力をしていきます。

◇MEMO
フォコラーレ運動と立正佼成会
フォコラーレ運動は、1962年に教皇ヨハネ二十三世によって認可され、現在、世界182カ国にメンバーを有する。フォコラーレとはイタリア語で「暖炉」の意。75年、バチカンの要請により、本会と同運動との青年が初めて交流した。4年後の79年、同運動創始者のキアラ・ルービック師と庭野日敬開祖がローマで出会う。庭野開祖は同年のテンプルトン賞受賞者、キアラ師は77年の受賞者だった。本会とフォコラーレは「在家の運動体」であり、キアラ師の「愛と一致」の精神と庭野開祖の「慈悲と一乗」の教えが相通じ、両指導者の対話以降、協力関係は急速に深まっていった。