鼎談・世界の子どもたちの未来を考える 後編

鼎談では、母親の立場から、「世界の子どもたちの未来」について意見が交わされた

庭野 小さな実践ですが、私はスーパーで買い物をした時、レジ係で機嫌の悪そうな方のところに並ぶんです。その日、その方に嫌なことがあったのか、もともと機嫌が悪かったかは分かりませんが、一生懸命話し掛けてみるようにしています。例えば「レジ、打つのが速いですね」と良いところを伝え、〈今日一日、嫌なことがあったけれど、あのお客さんに褒めてもらって良かった〉と一瞬でも、その人が幸せな気持ちになってもらえたらいいなと思っています。

私も誰かに癒やされていることがあるかもしれません。人と触れ合う時には、世界の温かさの温度を0.01度でも上げられるように努力したいなと思っています。

篭嶋 理想の社会を共に語ることができるのは、すてきなことだと思います。佼成会の皆さまのおかげで、グアテマラで見向きもされなかった先住民に光が当てられ始めました。その子どもたちの未来がポッと明るくなったことを、会員の皆さんにお伝えしたいと思います。長年にわたり、「一食ユニセフ募金」を通じ、グアテマラをはじめ、さまざまな国に支援をして頂き、心より感謝申し上げます。皆さまから募金活動の大変さや喜びなど、私はいろいろなことを学ばせて頂いてきました。はじめは何もなかったところに小さな種を植え、一緒に育ててきたプロジェクトによって援助を受けた子どもが増えています。

幼い頃にきちんと健康や栄養状態を確保され、教育を受けた子どもたちです。これからも皆さんのいろいろな体験をお分け頂き、共に手をつないでよりよい世界を築いていきたい、そう思っています。

鼎談・世界の子どもたちの未来を考える 前編

篭嶋副代表プロフィル

かごしま・まりこ 奈良県出身。同志社大学を卒業。高校の英語科教員として勤務した後、英国のウォーリック大学大学院で教育学修士を取得。外務省のジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)としてユニセフへ就職。その後、メキシコ(JPO)、アフガニスタン、アンゴラなど7カ国8カ所の現地事務所で勤務。2013年からグアテマラ事務所副代表、18年8月にジャマイカ事務所代表に就任した。