法華経国際会議 7年ぶりに開催 『対話する「法華経」の伝統』テーマに

学林大樹生、蓮澍・海潮音科生と対話の時間の様子
5月31日から6月2日まで、普門メディアセンター(東京都杉並区)などで「第25回法華経国際会議」(国際伝道部主管)が実施された。米国、英国、韓国などの仏教研究者ら8人が参加(オンラインを含む)。本会から、三川恭平・ロサンゼルス教会布教責任者、本会国際アドバイザーのドミニック・スケランジェロ博士(同会議コーディネーター)が出席した。
同会議は、法華経への関心が高い海外の学者に、対話を通して法華経の理解を深めてもらうことを目的に、1994年に始まった。コロナ禍を経て7年ぶりに開催された今回のテーマには、『対話する「法華経」の伝統』が設けられた。

ドミニック・スケランジェロ博士
5月31日と6月2日の2日間、参加者はテーマに基づいた論文を発表し、互いの知性を磨き合うための対話を重ねた。この中で、天台仏教や現代韓国仏教などを研究するジ・ヘギョン・ルーシー氏(延世大学研究員)は、『「法華経」と韓国天台仏教の再建――上月円覚の著作と一乗の教学』を主題に研究内容を報告。近代の韓国で、法華経に基づいて新たに発足した宗教教団の教えや実践内容を示し、教団が宗教的概念の影響を受けた人物や団体を考察した。このほか、宗教史家として日本の宗教的伝統を研究対象とするエリック・スワンソン氏(米国ロヨラ・メリーマウント大学准教授)、ギリシャ・アラブ哲学および仏教哲学の伝統を研究するエミール・アレクサンドロフ氏(ロシア・チュメニ国立大学助教)などが発表した。
6月1日午前、一行は本会発祥の地・修養道場を訪問し、大聖堂で行われた「朔日(ついたち)参り(布薩=ふさつ=の日)」式典に参加。午後には佼成図書館の視聴覚ホールで、学林大樹生、蓮澍・海潮音科生と対話の時間が持たれた。杉野恭一学林学長が進行役を務める中、学林大樹62期生の牧小有里さん(35)=豊橋教会=は、『現代の若者の宗教離れ』について研究していると発言。日本の若者は宗教団体への所属意識を弱める一方で、自己啓発などを通して宗教的価値観を選択的に受容しているとの見解を述べた。これに対してジ氏は、米国ではキリスト教に、韓国では仏教に興味を持つ若者が増えていると伝え、「海外の現状から、研究に生かせる視点を得られるのではないか」と語った。

牧さんの研究に対してアドバイスするジ氏
また、牧さんは、宗教離れ以前に、神社仏閣への参拝などが宗教的な行為という認識が薄い傾向にあるように思うと指摘。ネワール仏教が専門分野のアレクサンダー・オニール氏(武蔵野大学講師)は、スピリチュアリティーのみに興味を持つ人が増加し、宗教と個人の関係性が変化してきたことを示すのではないかと返答。「宗教以外の切り口から調べることで、研究テーマに一層切り込める可能性がある」と投げかけた。
同会議に初参加したマシュー・マクマレン氏(南山宗教文化研究所第一種研究所員)は、「研究発表の時間には、法華経の教理に関するアドバイスを頂けたので勉強になりました。また、佼成図書館の所蔵庫見学や、宗教に関心を持つ若者との交流も興味深かったです」と話した。





