「憲法改正」を考える 東京教区が憲法学習会

衆議院の憲法審査会は5月14日、緊急時における政府の権限強化を定める「緊急事態条項」の具体化に向けた憲法条文のイメージ案を基に意見を交わした。同審査会がテーマを絞って論点整理に着手したのは初めてで、「憲法改正」発議に向けた議論が進められている。こうした状況を踏まえ、立正佼成会東京教区は6月7日、法輪閣(東京都杉並区)で憲法学習会を開催。渉外部長・担当者、青・壮年部員、一般会員ら約400人(オンライン含む)が参加した。
第一部では、佐原透修総務部次長(渉外グループ)が『「憲法改正」に対する本会の基本姿勢について』と題して発表した。佐原次長は、「憲法改正」の行為そのものを本会は否定していないとする一方で、9条(平和主義)や20条(信教の自由)の改正は、「平和主義」や「基本的人権の尊重」という国の根幹を脅かしかねないため、極めて慎重な議論が求められると強調。「いのちを尊重し、人権を擁護し、戦争を放棄して平和を確立するという崇高な願い」が貫かれた現憲法の精神を堅持すべきと語った。
また、庭野日敬開祖が願った「絶対非戦」の言葉には、「二度と戦争を起こしてはならない」という誓いと、「国際問題を武力で解決しない」という決意が込められていると説明。昨今の世界情勢を踏まえると、「自衛の範囲を超えて、自らの意思で争いに加わらない」との覚悟を付け加えることができると述べた。
第二部では、柴山昌彦議員(自由民主党)、泉健太衆議院議員(中道改革連合)、古川元久衆議院議員(国民民主党)が登壇。『憲法と日本の安全保障』と題して意見交換会を行った。
柴山議員は、現憲法の公布から80年が経ち、憲法の条文が表す「規範」と現実が乖離していると指摘。現憲法を時代に合わせて「アップデート」する必要があると話した。泉議員は、日本が戦後、平和国家として歩んできたのは、現憲法のおかげであると強調。また、憲法論議が現在、改正自体を目的化しているように見受けられるとして憂慮を示した。古川議員は、個人の尊重と幸福追求権が憲法13条に定められたのは、国家を優先して個人を犠牲にした第二次世界大戦の反省があると説明。個人の尊厳が最も大切な価値として現憲法に規定されたことにより、日本に高い人権意識が定着したと語った。

質疑応答の時間が設けられ、活発に意見が交わされた
自衛隊の位置づけについても議論された。柴山議員は、実質的な軍隊である自衛隊は憲法9条に定める「戦力の不保持」に反するという意見があることから、その存在を憲法に明記して問題の解消を図りたいと説明。一方、泉議員は、国民の多数は自衛隊の存在を既に認めており、憲法を改正してまで定義する必要性に疑義を示した。また、古川議員は、自衛隊の活動範囲に言及。現憲法に定める個別的自衛権で全ての安全保障事案に対処できるかは疑問であり、集団的自衛権の議論が不可欠と強調。限定的な集団的自衛権の行使が、閣議決定によって容認されていることを踏まえ、専守防衛の精神に基づき、集団的自衛権を行使できる範囲を議論し、憲法に明記することが現実的であると指摘した。
また、三人は、「憲法改正」の是非は最終的には国民投票に委ねられることから、一人ひとりが主権者としてこの国の将来を共に考えていくことが重要との意見で一致。異なる意見を持つ人々が対話し、憲法への理解を深めてほしいと参加者に語りかけた。

国家間での争いが続く中、日本の政治の動きや「憲法改正」への関心は全国的にも高まっている。大船教会は6月20日、教会道場で政治学習会を実施し、会員約50人が参加。静岡支教区も同28日、清水教会で開催した政治学習会で学びの時間を設けた。それぞれ、憲法の果たす役割、「憲法改正」に対する本会の姿勢について学んだ。
立正佼成会の渉外グループは現在、憲法の意義や役割、本会の考え方をまとめた冊子『今、「憲法改正」を考える~平和って何だろう?~ 本会の基本姿勢編』の教会発送などの各種相談を受け付けている。問い合わせは渉外グループまで。TEL 03(5341)1850






