「教団創立86周年記念式典(大聖堂建立60周年)」で庭野会長が法話  無上の教えを認識し精進を(動画あり)

小堀光實師(天台宗三千院門跡第六十三世門主) 祝辞(要旨)

今日は啓蟄(けいちつ)です。春到来といえども、大地震発生からすでに2カ月が経つ石川県能登半島の被災地では、いまだ過酷で困難な環境の中でお過ごしと承知します。謹んで、被災地の皆さまにお見舞いを申し上げます。

立正佼成会さまには、ご教団創立86周年の記念式典が開催されますこと、お慶(よろこ)びとお祝いを申し上げます。このように多くの皆さまが集い、共に時間を過ごされることに、尊さを感ぜざるを得ません。目に見えないみ仏のお力、一致団結でしょうか、強い力、パワーを実感いたしております。

加えて86周年。漢数字の八と六はどちらも末広がりで、大地にしっかりと足を据えた土台に大きな屋根が乗る姿に見えます。今年、建立60周年を迎えるこの大聖堂を表すようで、盤石のスタートの年であるともいえましょう。

昨年の庭野日敬開祖さまのお誕生日に、庭野会長さまは「誕生日とは、ご先祖さまから命を引き継ぐ日であり、生涯の節目節目の中でそれを重ねられることは、喜ばしい機会」と示された上で、両親を愛する尊さを説かれたと伺いました。ご教団の創立の日を年々にお迎えされることも喜びの機会であり慶節といえますし、庭野会長さまのもとに皆さまが相集われ、お釈迦さまの示された御法を令法久住(りょうぼうくじゅう)、共に日々の生活に実践することを改めてお誓いなされる機会ともいえます。

小堀師を笑顔で迎える光祥次代会長と杉並、中野両教会の会員たち

数年前、私は、あるご一族の中の、百回忌を迎える方と五十回忌を迎える方の尊い法会に臨みました。その時、あることに気づいたのでした。

最前列には20歳前後の若い青年男女7名が、その後ろに40、50代、その後ろに60、70代、そして一番後方にそれ以上のご老齢の方が、前の年代の方々を見守るかのように、椅子を楕円(だえん)形に並べてお座りでした。まさにこの大聖堂の雰囲気のように思われます。若い方に五十回忌年のお方とのつながりを尋ねますと、「お会いしたことはありませんが、私たちのひいばあさんです」と。百回忌の方については、最後列の老齢のお一人が「私らのひいじいさんで、前にいる若いもんは誰も会っとらんですけど、こんだけが揃(そろ)うてお勤めさせてもらい、めでたいことです」とお答えされたのです。その方々が共々に参られて回向供養の場を持たれたことに感動を覚え、一瞬込み上げるものがありました。同時に、いつの時も、ほかのご先祖さまをも節目節目に偲(しの)ばれ、供養なさっておられるのだろうと思いました。

見守るようにお座りになるご様子から、家族、親族のつながりを大切になされていると感じられ、その家系、ご一族の繁栄を見るような気がしたのでした。そして、会ってもいないお方を敬われるそのお心と姿勢に、ハッとさせられました。冒頭に申し上げました庭野会長さまの「誕生日はご先祖さまから命を引き継ぐ日で喜ばしい機会」とのお言葉と重なるように思えたのです。

佼成会さまでは、親孝行と先祖供養を大切にされておいでです。また、常に若い青年の方たちがはつらつと、多くの人々の安寧、ことに世界の平和のための底力となってご活躍です。この今の時代を、立正佼成会さまのみ教えのもとに帰依なさっておいでのご信徒、会員の皆さまが、彼ら青年を励まし見守られ、いよいよご指導くださることにご精進頂きますよう念じております。(文責在記者)