「教団創立85周年記念式典」で庭野会長が法話 急がず息まず修行精進を (動画あり)
立正佼成会創立の精神をかみしめ、さらなる修行精進を誓う「教団創立85周年記念式典」が3月5日、大聖堂(東京・杉並区)で開催された。全国から会員約660人が新型コロナウイルスの感染防止策を施して参加したほか、式典の模様がインターネットでライブ配信(会員限定)された。法話に立った庭野日鑛会長は、人間として正しい習慣を身につけるとともに、急がず、息(や)まずに修行精進に努める大切さを説いた。
式典は、東京佼成ウインドオーケストラによる序奏で開幕した。3年ぶりとなる奉献の儀では、芳澍女学院情報国際専門学校の学生、学林光澍生、学林海外修養科生17人が灯明と花を献じた。続いて庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、聖壇上で庭野会長が啓白文を奏上した。
國富敬二理事長のあいさつに次いで功労者表彰が行われ、教会役員功労者189人を代表して室蘭教会の女性会員(69)に、会員特別功労者211人を代表して千代田中央教会の女性会員(82)に、庭野会長から感謝状と記念品が贈呈された。次いで功労者を代表し、鹿児島教会の女性会員(73)が体験説法に立った。
この中で会員は、結婚後に佼成会に反対する夫から「信仰と俺と、どっちを取るんだ」と毎晩のように問い詰められ、信仰の意味を自問した体験を述懐した。幼い頃に病で母親を失い、寂しい思いをした自身のような体験を、わが子にはさせたくないとの気持ちから、無心になって夫に寄り添おうと決意。それまで以上に家事に励み、夫に尽くし、また、夫の入院を通して自分の思いを優先していた自己中心な心と、夫がかけがえのない存在であることに気づき、心からサンゲできたことを発表した。夫の退院後には、家族で楽しい時間を過ごせたと回想。亡くなるまでの間、夫も宿直や手どりなど壮年部活動に参加するようになり、共に信仰の道を歩めた喜びを語った。
さらに、今年から所属教会の社会福祉副責任者を拝命したことを報告。「今日死ぬかのように生きる。未来を生きるかのように学ぶ」の心で、元気でいきいきと精進していくことを誓った。
続いて、菅野日彰日蓮宗管長(同宗大本山池上本門寺貫首)が登壇し、祝辞を述べた。
この後、法話に立った庭野会長は、木村和夫氏の詩「習慣」を引用し、人生は習慣の織物であると説明した。人間として正しい行いを習慣化できないと人格や心が成長しないままの人生になってしまうと述べ、人間として大事なことを習慣づけて生きていくことが大切と説いた。
また、日蓮聖人の、腹が空いたら食べ物を求め、のどが渇いたら水を欲するように、本能的に自然に信心するのが本来の信仰であるとの教えを紹介した上で、仏教の肝心は法華経であり、法華経の修行を説いているのは常不軽菩薩品であるとの言葉に言及。釈尊の本懐は人の道を教えることで、人間らしい人間になるための心がけが重要と解説し、常に出会う人に合掌礼拝(らいはい)していた庭野日敬開祖に倣い、その精神を体解(たいげ)して身につけていく大切さを示した。
さらに、ドイツの詩人ゲーテの「星辰(せいしん)の如く、急がず息まず」という言葉に触れ、天空の星は目では動いているように見えないものの、止まることなく動き続けていると説明。「この教えをずっと後世にもお伝えできるように、お互いさまに、急がず息まず、精進をさせて頂きたい」と語った。
最後に、全会員の感謝を込め、佼成育子園の男児(6)と女児(6)が、庭野会長夫妻に花束を贈呈した。