全ての現象に喜びや感謝を見いだす 庭野会長が「朔日参り(布薩の日)」式典で法話

法話に立った庭野会長は、全国の会員に向け、現象の本質は「空」であり、そこにいかに喜びや感謝を見いだすかが大事であると説いた

3月1日、立正佼成会の「朔日(ついたち)参り(布薩=ふさつ=の日)」式典が、大聖堂(東京・杉並区)で行われ、庭野日鑛会長が法話を述べた。全国の会員が新型コロナウイルス感染防止対策を施して参加。式典の模様はインターネットでライブ配信(会員限定)された。

式典では庭野光祥次代会長導師による読経供養の後、芳澍女学院情報国際専門学校の学生(20)=鰍沢教会=が体験説法を行った。

学生は、芳澍女学院に入学した姉が元気に、明るくなっていく姿を見て、同校への憧れを抱くとともに、葛藤もあった姉への見方が変わったことを述懐。その後、姉への素直な気持ちを伝えることで、姉妹の絆がより深まった喜びを語った。

また、高校生の時、親友たちからの指摘で初めて、自分が人に嫌な思いをさせていたことを知り、自己嫌悪に陥って学校に行けなくなったことを吐露。そんな中、サンガ(教えの仲間)の温かさや、自分を受け入れ認めてくれる教会長の関わりによって心が楽になり、視野も広がって、通信制の高校で学び直せた体験を発表した。

さらに、現在、芳澍女学院の仲間との触れ合いを通して、人を思いやる心を育ててもらっていると感謝の思いを報告。「今度は私が人に寄り添い、幸せになる手助けをしたい」と願いを語った。

この後、法話に立った庭野会長は、『般若心経』に説かれる「色即是空」の意味を説明。その例えとして、コップに水が半分入っている状態を、何の意味付けもせず現象そのままに捉えるのが「空」であり、その現象を「水が半分しか入っていない」「半分もあってうれしい」「何者かが半分残してくださってありがとう」と、それぞれの思いで色をつけて見るのが「色」であると述べた。

その上で、全ての現象の本質は空であり、そこにいかに喜びや感謝を見いだすかが大事と強調。そのように受け取れることが救われでもあるとした上で、仏の教えの中で、「色即是空」のように、大事な意味が込められた、生きる上で大きな力になり、人にも自信を持って伝えられる言葉をおのおのが持つことが大事と述べた。

加えて、先人の言葉を引用する形で、人間の呼吸や血液の循環が自然に繰り返されていることだけを考えても、人間は大いなる力によって生かされていると説示。「当たり前と思える中に、不思議な、有り難いことを発見し、日頃の生活ができれば元気が出てくる」と述べ、日々元気で精進する大切さを示した。