佼成病院の開院七十周年に寄せて 庭野会長がメッセージ
立正佼成会附属佼成病院(東京・杉並区)が今年、開院70周年を迎えた。これに合わせ、庭野日鑛会長が9月9日、『佼成病院 開院七十周年(新病院八周年)に寄せて』と題するメッセージを同病院におくった。メッセージは全職員に伝えられた。
同病院は1952年8月10日、東京・中野区の木造2階建ての病棟に5診療科を備えて開院。その後、建物の増改築が進められ、2004年には、腎センター、療養型病棟(ひかり病棟)、緩和ケア・ビハーラ病棟(佼成ビハーラ)などの機能を備えた「扶友センター」を開設した。14年9月9日、同杉並区内の大聖堂付近に新築移転。27科340床を擁する東京都指定二次救急医療機関として、24時間365日稼働する救急外来体制が整えられている。
メッセージの中で庭野会長は、同病院が70年にわたり地域医療の拠点として社会に貢献してきたことへの祝意と敬意を表明。特に、コロナ禍の中、同病院が「新型コロナ病床」を増床して入院患者を受け入れ、ワクチン接種にも注力していること、「外国人患者受入れ医療機関」として年間2500人に上る外国人患者を受け入れていることについて「非常に意義深い」と述べ、賛辞をおくった。
また、中国古代殷(いん)王朝の湯王(とうおう)が、中国の古典『大学』の「苟(まこと)に日(ひ)に新たに、日日(ひび)に新たに、又、日に新たなり」との一節を洗面器に刻み、毎日唱えて自らを戒めたとの逸話を紹介し、日々、新たな気持ちで事に臨む大切さを述べた。さらに、佼成病院の理念である「『真観』~正しくみて、正しく手当てする~」は、法華経の「観世音菩薩普門品」に由来するものであり、「観音さまは、世間の人々の声を聞き取り、その場にふさわしい姿をとって現れ、慈悲の手を差し伸べてくださると教えられています」と教示。同病院が医療を通じて地域社会に貢献する使命を担っているとし、「スタッフの皆さまお一人おひとりが、それぞれの場で、観音の働きをしてくださるよう願ってやみません」と激励した。
加えて、「『健康』とは『健体康心』を略した言葉であり、健やかな体、康(やす)き心、つまり穏やかな心が伴って初めて本当の健康と申せます」と述べ、コロナ禍の中で大きな負担がかかる職員をねぎらいつつ、より一層の活躍に期待を寄せた。