シリア難民が留学生として来日 WCRP/RfP日本委と難民支援協会の共同事業

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会と認定NPO法人「難民支援協会(JAR)」が共同で実施する「民間主導によるシリア難民の留学生受け入れ事業」で、初の留学生となるシリア難民5人が3月28日、来日した。

同事業は、日本語学校や大学と協働し、内戦によって避難生活を余儀なくされているシリア難民を留学生として受け入れ、進学や就業によって定住を図るもの。日本では民間主導による初めての試みで、今後5年間で100人ほどのシリア難民を受け入れる予定だ。

シリアは現在、人口の半数にあたる約1200万人が国内外へ避難。隣国のトルコには280万人が流入し、このうち、高等教育の機会を得られない若者は55万人に上る。

JARは昨年、難民を積極的に受け入れているカナダの現状、同国の民間団体の取り組みを視察するとともに、トルコに逃れたシリア難民への聞き取り調査を実施。日本への渡航を望むシリア難民が多い実情を受け、WCRP/RfPと共に留学生として受け入れる事業を発足した。

今回来日した5人は、応募のあった212人のシリア難民から選ばれた。もう一人の受け入れが決定しているが、現在、渡航手続きを行っている。

事業の広報担当者によると、来日した20代の女性は、「シリアにいる時から日本語の翻訳者になるために勉強していました。このプログラムには、言葉にできないほど感謝しています。楽しんで頑張ります」と話しているという。10代の女性は、「チャンスを与えてくれてすごくうれしい。夢に近づけるとは思っていませんでしたから。私たち以外にもチャンスが必要な人はたくさんいます。この支援が止まらないことを願います」と語っている。


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