「2民族2国家と聖都の国際管理――教皇とアッバス議長」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

教皇が韓国、インド両国の首脳と懇談

ローマ教皇フランシスコは10月29日、バチカンで韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と懇談した。バチカンの公式声明文は、両指導者が「両国間の良好な関係」を確認し、朝鮮半島での対話と和解の促進に焦点を当て、カトリック教会の積極的な貢献について話し合ったことを明かした。

懇談で両指導者は、「協調と善意によって推進され、連帯と友愛に支えられる朝鮮半島の平和と発展に向けた希望を分かち合った」という。東アジアの情勢や人道危機についても意見を交わした。韓国大統領府の報道官の発表によると、文大統領が「教皇に北朝鮮を訪問してもらえるなら、朝鮮半島における和平に向けた推進力になる」と伝えたところ、教皇は「北朝鮮政府からの(公式の)招待があれば、行く用意がある」と応えたとのことだ。

「アリラン国際放送」は翌30日、ローマで開催されていた20カ国・地域首脳会議(G20)の中で、文大統領が教皇に北朝鮮訪問を要請したとバイデン米大統領に伝えたところ、「歓迎すべきニュース」と応えたことを報じた。文大統領は2018年、バチカンで教皇と懇談した際にも、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記からの招待の意向を教皇に伝えていた。

教皇は同30日、インドのナレンドラ・モディ首相とも約1時間にわたり懇談した。バチカン記者室からは、両指導者が「聖座(バチカン)とインドの友好関係について話し合った」ことだけが伝えられた。モディ首相は、バチカン国務省長官のピエトロ・パロリン枢機卿、外務局長のポール・リチャード・ギャラガー大司教とも面会した。

個別会見後、モディ首相は、教皇に銀の燭台(しょくだい)と、環境問題へのインド政府の対応を記した公文書を送呈。教皇は、「砂漠が庭園となる」と記した銅板、今年の「世界平和祈願日」(1月1日、日本では「世界平和の日」)のメッセージ、イスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」のアハメド・タイエブ総長と共に署名した「人類の友愛に関する文書」を贈ったという。その後、首相は、「教皇フランシスコと大変温かい雰囲気の中で懇談し、さまざまなテーマについて話し合った。教皇をインドに招待した」とツイートした。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)