ローマ教皇フランシスコが退院(海外通信・バチカン支局)

入院中、がんの治療を受けている子供とその家族に声をかける教皇(バチカンメディア提供)

7月4日から結腸の手術のため、ローマ市内のカトリック総合病院「ジェメッリ」に入院していたローマ教皇フランシスコが14日朝に退院し、バチカンに帰着した。同日、バチカンのマテオ・ブルーニ報道官が公表した。

術後の経過が良好だった教皇は、入院中の11日には同病院の10階バルコニーで正午の祈りを司式した。その中の法話で、「病者に対する精神的、身体的な慰めの重要性」に触れ、「病者の治療に携わる人々の傾聴、寄り添い、思いやり、優しさの精神」が大切であることを強調。カトリック信徒たちに向けて、「助けを必要としている人々を訪問したり、彼らに電話をしたりして、手を差し伸べることができる」と呼びかけた。

13日午後には病院内の小児科を訪れ、がんの治療を受けている子供とその家族、医療従事者に慰めの言葉をかけ、励ました。

教皇は今後、9月に国際聖体大会が開催されるハンガリー、またスロバキアを訪問する予定になっている。11月には、ギリシャ、キプロス島を訪れ、その後にはスコットランド(英国)のグラスゴーで開催される第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に参加するとみられる。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)