「普門エリア整備工事」が完了し落成式 聖観世音菩薩像を安置し、宗教空間として 庭野会長が謝辞 (動画あり)
普門館の解体と跡地整備を含む立正佼成会の「普門エリア整備工事」が完了し、2月8日に落成式が行われた。宗教空間として整えられ、境内として参拝者の受け入れが可能となったことを祝うもの。式典には、庭野日鑛会長、庭野光祥次代会長が臨席し、國富敬二理事長をはじめ教団役職者、工事関係者らが出席した。落成を祝したテープカットの後、庭野会長が謝辞を述べた。
普門エリア(東京・杉並区)は、大聖堂の南側、中野本郷通りを渡った場所に位置する。1970年に落成し、2018年にその歴史に幕を閉じた普門館に込められていた「普門の精神」を受け継ぐことを願って、18年12月から整備工事が進められてきた。
1万5000平方メートルある敷地の一角には、大聖堂のご本尊像と同じく仏師の錦戸新観師が制作し、普門館のロビーに安置されていた聖観世音菩薩像(聖観音像)が遷座された。同エリアの中央には聖観音像へと続く参道が敷かれた。大聖堂を望みながら参拝でき、聖観音像を拝むその先には大聖堂のご本尊を仰ぎ見るような位置関係にもなっている。
また、普門館が多くの人に親しまれてきたことを考慮し、設計された。参拝者が当時の記憶を想起できるように、一面に広がる芝生広場は、普門館の外周をかたどった双環形(二つの円形を一つに結びつけた形)となっている。さらに、南北にある門には、かつて普門館の外壁に用いられていたリング状のレリーフを活用。門の端にある照明のカバーには、大ホール内の壁面に飾られていたクリスタルがあしらわれている。
8日の落成式では冒頭、庭野会長、光祥次代会長、國富理事長が同エリアの落成を祝して南側入り口前(善福寺川沿い)でテープカット。その後、聖観音像の前に場所を移し、國富理事長から設計、施工を務めた企業の代表3人に感謝状が贈呈された。
謝辞に立った庭野会長は、工事関係者に謝意を表し、境内を歩きながら在りし日の普門館を思い出したと話した。
また、同エリアの整備にあたり、かねてより、緑の豊かな本部空間を願っていたと説明。参拝者の身心の癒やしにつながることを願い、「境内として有効に活用し、皆さまに喜んで頂けるようにしていきたい」と述べた。
同エリアは今後、開門時間(原則として、8時半から16時半まで。行事開催日、整備日を除く)に参拝路として利用できる。また、本部主催行事や教育プログラムでの活用、各教会への貸し出しも開始する予定で、時期は新型コロナウイルスの感染状況を考慮しつつ判断される。芝生広場は、芝生が根付く6月ごろから立ち入りが可能となる見込みだ。
なお、教団本部では、多くの人が参拝し、雰囲気を体感した後、一定期間を経て同エリアの名称を会員から募集する予定としている。