大聖堂で「飛沫シミュレーション」用データ計測 参拝再開に向け分析 (動画あり)

飛沫の拡散や浮遊経路を予測するため、三次元レーザースキャナーを使用して空間のデータを採取する

新型コロナウイルスの感染防止のため昨年2月22日から閉鎖されている立正佼成会の大聖堂(東京・杉並区)で2月9日、飛沫(ひまつ)の拡散や浮遊経路を予測する「飛沫シミュレーション」に必要なデータの計測が行われた。大聖堂の参拝を再開する際の感染予防対策に役立てられる。調査は、飛沫可視化サービスを手がける株式会社エコ革が担当した。

飛沫シミュレーションでは、三次元レーザースキャナーなどを使用して施設内の空間をコンピューター上に立体的に再現し、ここに空調設備の情報を入力して施設内の空気の流れを予測する。これによって、人が会話やせきをしたり、歌ったりした際の飛沫の浮遊経路が分析される。

データ計測の様子(クリックして動画再生)

この日は、大聖堂4階ホールから7階までの各地点で三次元レーザースキャナーによる測量と、各所に設置されている冷暖房設備から流れ出る空気の風量や流速、温度の測定が行われた。得られたデータを使って、これまで毎月行われてきた「布薩(ふさつ)の日」などの式典(1000人規模)や、施設内が満員になった場合(4000人規模)などで、飛沫がどのように拡散・浮遊するかのシミュレーションがなされる。

結果は2月下旬に出る予定。教団の「新型コロナウイルス感染症対策本部」(本部長=國富敬二理事長)では、その結果を基に適切な換気方法などを検討して、大聖堂の参拝を再開する場合の感染予防策を立てる意向だ。