WCRP日本委「核兵器禁止条約発効にあたっての声明」発表 鷲尾外務副大臣と面会し、政府に提出 (動画あり)
1月22日、核兵器禁止条約が発効したことを受け、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は植松誠理事長名の声明文を発表し、発効に「心からの祝意と本条約への全面的な支持」を改めて表明した。
同日本委員会は、条約の発効要件を満たした昨年10月に声明文を表していた。今回の声明文はこれに続くもの。核兵器は「存在自体が絶対悪」であり、廃絶されなければならないものと指摘し、法的拘束力を持って核兵器を全面的に禁じる同条約の意義を明示した。
同条約が発効に至った経緯にも触れ、非核兵器国と協調することで市民社会の人道主義の主張が、「大国の軍事バランス論に翻弄されてきた核議論」に影響を与え、核兵器廃絶へのプロセスを作り上げることができたと明記。国家安全保障に重きを置きがちな国際政治に対する「人間の倫理性の勝利」とたたえた。
さらに、WCRP/RfPの創設の精神を示し、宗教的信念を基に核兵器廃絶に取り組んできた歩みを説明。同条約は「核兵器なき世界」に向けた人類の偉大なる一歩と強調した。
その上で、日本政府に対し、同条約の締約国になること、同条約と核兵器不拡散条約(NPT)が補完関係であるとの立場に立ち、核兵器の廃絶に向けて真に「橋渡し役」を果たすこと、被爆の実相などを基に核抑止政策の信ぴょう性に対する再検証を行うこと、核兵器に依存しない日本の平和と安全を構築する政策の検討の4項目を要望している。
同26日には、徳増公明理事(日本ムスリム協会会長)をはじめ同日本委の代表5人が鷲尾英一郎外務副大臣に面会。今回の声明文を提出し、日本政府への要望を伝えた。この後、参議院議員会館で記者会見を開き、「いのちは神仏から与えられたもので、守ることは宗教者の義務であること」「外交と対話を通じた核兵器廃絶の推進」などを訴えた。
声明文(全文)は同日本委ウェブサイトの「INFORMATION」(お知らせ)に掲載されている。http://www.wcrp.or.jp/information/