核兵器禁止条約が発効 本会がメッセージを発表し「心から歓迎」

「原爆の子の像」(広島市の平和記念公園)

核兵器の開発、保有、使用など、いかなる活動も禁じる核兵器禁止条約が1月22日に発効した。これを受けて立正佼成会は同日、『核兵器禁止条約の発効を歓迎します』と題するメッセージを発表し、本会ウェブサイトに掲載した。この中で本会は、条約発効を機に、核廃絶に向けた国際的な動きが一層活発になることを願うとともに、核廃絶への決意を改めて示した。

核兵器禁止条約は、開発、実験、製造、取得、保有、貯蔵、移譲、使用、威嚇など核兵器を全面的に禁止するもの。2017年7月に国連で122カ国の賛成により採択された。昨年10月24日、批准した国と地域が50に達して発効要件を満たし、90日後の今年1月22日にそれらの国で発効した。

核兵器保有国や、日本など「核の傘」に依存する国は条約に参加していないが、今後、国際社会で「核兵器の違法化」が進展すると期待される。不参加国への働きかけも強まるとみられる。

本会は、庭野日敬開祖が1963年に「核兵器禁止宗教者平和使節団」の一員として欧米諸国を訪問して以来、核軍縮・廃絶の活動を進め、二千万人署名運動や中高生の広島・長崎での平和学習などによる平和への祈りと行動、国連支援などに取り組んできた。

この間、庭野開祖が3回にわたって開催された国連軍縮特別総会で演説し、際限のない軍拡競争による恐怖の均衡からの脱却を訴えた。

1982年、第2回国連軍縮特別総会で演説する庭野開祖

現在、本会はこれまでの活動を継承するとともに、主に世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)を通じて核廃絶の実現に取り組んでいる。

核兵器禁止条約に関して本会は、昨年10月28日に『核兵器禁止条約の50カ国・地域批准達成を歓迎します』と題する声明文を発表。今回のメッセージはこれに続くもので、冒頭で、同条約が「不信や疑念を背景にした恐怖による均衡から、互いを信頼し支え合う国際社会へと大きく変化していく転換点」になると、その意義を強調。その上で、「条約に込められた願いが、人類すべてが安心して暮らすことのできる世界の礎になること」を信じ、宗教者や各界の識者と協力して「核兵器のない世界に向けて努力する」と誓願している。

条約に参加しない方針の日本政府については、昨年10月の声明文の中で、「日本政府が今後の締約国会議にオブザーバーとして参加し、平和を願う国民の声、また世界の良心の声に耳を傾け、核兵器禁止条約への署名と批准をするよう要望いたします」と明記。核兵器廃絶に向け、「唯一の戦争被爆国」として国際社会の牽引役をとの願いを表していた。

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