寒中読誦修行終わる サンガが心をつなぎ、励まし合って

大聖堂で行われた「寒中読誦修行」(2月2日)

一年で最も寒さの厳しい時季に『法華三部経』全巻を読誦(どくじゅ)し、一年の心構えをつくる立正佼成会の「寒中読誦修行」(寒修行)が、1月20日から2月2日まで行われた。

期間中、大聖堂(東京・杉並区)では午前6時から読誦修行を厳修。今年は、新型コロナウイルスの感染終息と世界各地の安寧を共に願う世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の呼びかけを受け、『祈り~こころひとつに~』と題した祈りの言葉も唱和された。同ウイルスの感染防止のため、大聖堂に会員は参集せず、映像がインターネットでライブ配信(会員限定)された。

寒修行は例年、大聖堂をはじめ教会や地域道場を中心に実施されてきたが、今年、会員たちは自宅などで取り組んだ。そうした中、インターネットで会員同士をつなぎ、サンガ(教えの仲間)の一体感を味わえる工夫を凝らした教会も見られた。

岐阜教会では各家庭での寒修行と併せ、毎晩、ウェブ会議システムを使って画面上に会員が集い、『つながろう!寒修行』と題した取り組みを行い、意識を高め合った。学生部員がその日に読誦される各品の内容を紹介し、代表者がコロナ禍の生活での「気づき」を発表。会員が互いの近況を報告し合う時間も持たれた。連日約150人が参加した。

岐阜教会では期間中、毎晩、会員が画面上に集い、寒修行への意識を高め合った(「Zoom」の画面)

同教会の青年婦人部長(47)は毎晩、高校3年の娘と参加した。「母親を亡くされて間もない女子部員さんが、教えに導いてくれた母親への感謝を胸に寒修行に臨んでいることを、ある支部長さんが話されました。教会に集うことは難しいですが、一人ひとりの思いをサンガで共有し、共に祈りを捧げられることに有り難さを感じ、寒修行に臨めました」と語った。

また、上田教会では毎朝、支部の会員同士が無料通信アプリ「LINE(ライン)」のグループ通話機能を使ってつながり、一緒に『法華三部経』を読誦。静岡教会では、会員たちが自宅での読誦の様子を撮影し、その写真をグループで共有して励まし合いながら寒修行に取り組んだ。

一方、パソコンやスマートフォンの操作に慣れない会員も少なくなく、手紙やチラシを使って意識を高め合った教会もあった。目黒教会は、寒修行の案内に励ましのメッセージを添えて会員に郵送。金沢教会では寒修行の心構えが記された手紙が作成され、会員の元に届けられた。