「新型コロナウイルスワクチンの接種は倫理的義務——教皇」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

教皇がバイデン新大統領にメッセージ

米国の大統領就任式が1月20日(日本時間21日未明)、ワシントンにある連邦議会議事堂の前で行われ、第46代大統領に民主党のジョー・バイデン氏が就任した。ローマ教皇フランシスコは同日、新大統領にメッセージを送った。バイデン氏は、ケネディ元大統領に続き、二人目のカトリック信徒の大統領となる。

メッセージの中で教皇は、新大統領に「全能の神が叡智(えいち)と強靭(きょうじん)さを与えてくださいますように」と祈り、「新大統領の指導の下、米国民が建国以来、受け継いできた高貴な政治的、倫理的、宗教的価値に力の源泉を見いだし続けていくように」と願った。

また、新型コロナウイルスの世界的な流行という重大な危機に直面している現在、“人類家族”(一つの家族として存在する人類)は長期的な展望に立ち、一致した対応が求められていると強調。新大統領が、「真の正義と自由に基づく社会の構築に向けて屈することなく、全ての人々、特に貧しい人、より傷つきやすい人、そして、声を上げられずにいる人の権利と尊厳を守り、尊重する決断を行っていくように祈る」と言葉を寄せた。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)