「新型コロナウイルスワクチンの接種は倫理的義務——教皇」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

核兵器禁止条約に署名を——WCRPノルウェー委員会

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)ノルウェー委員会はこのほど、1月22日に核兵器禁止条約が発効されることを受け、声明文を発表し同国政府に「核兵器の使用を容認する政府の現行の立場は、人間の尊厳性を蹂躙(じゅうりん)するものであり、受け入れることができない」と訴えた。同18日、世界教会協議会(WCC)のプレスリリースで伝えられた。

この声明文では、1970年に400人を超える諸宗教指導者が京都に集い、開かれた世界宗教者平和会議(第1回WCRP世界大会)の重要な開催理由に、「核兵器を使った大量破壊という悲劇的な結末への脅威」があると説明。WCRP/RfPが過去50年にわたり核兵器の使用禁止を目指して積極的な活動を展開してきたのは、「核兵器の存在と使用が、われわれの宗教的価値と倫理原則に、根本的に反するものであるからだ」と表している。

同委員会の宗教指導者たちは、核兵器が存在する限り、使用の可能性があると指摘。条約の批准と北大西洋条約機構(NATO)の加盟は「大きな葛藤を生み出すものではない」と主張し、同国政府に批准を促した。その上で、「私たちの所有する資源の多くを、人間の発展と創造(自然)のために使用すべきだ」と呼びかけている。

「47NEWS」は19日、オーストリアを「核兵器禁止条約制定の旗振り役」として紹介した記事を掲載。それによると、書面インタビューに応じた同国のクルツ首相は同条約について、「核廃絶に向け『広島や長崎の被爆者らが闘い到達した(新たな)段階だ』と評価した」という。また、条約の効力は拡大していくとの見解を示し、日本など未署名国にもオブザーバーとしての参加を促している。

バチカンの公式ニュースサイトである「バチカンニュース」は19日、「WCRP/RfPがノルウェー政府に、核兵器に対して反対の立場をとるように要請した」との見出しで、同委員会の声明文の内容を紹介した。

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