本会一食平和基金 新型コロナウイルスの被害への緊急対策に 総額1億6200万円を拠出

UNHCRと国連WFPの活動も支援する。写真はバングラデシュ・コックスバザールにUNHCRが建設した重症患者の治療施設で働く医療従事者 ©UNHCR/Louise Donovan

立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会は6月26日までに、世界的に感染拡大が続く新型コロナウイルスの被害への緊急対策として総額1億6200万円の拠出を決定した。

支援の内容は「一食地域貢献緊急支援プロジェクト」「国連支援」「庭野平和財団への寄託」「一食平和基金のパートナー団体への緊急支援」の4項目。国内外の感染対策や困窮者の救援に役立てる。一食平和基金は、会員が世界の平和を祈り、月に数回、食事を抜いて食費分を献金する「一食を捧げる運動」の浄財で運営されている。

国内外の感染防止や生活困窮者の救援に 国連機関やNGOと協働

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新型コロナウイルスの世界の感染者は7月8日現在、1179万人を超え、死者は54万3651人に上る。先進国での感染拡大はおおむね鈍化したものの、南米や南アジアで感染者が急増しており、終息の見通しは立っていない。開発途上国の感染拡大は、とりわけ社会的に弱い立場にある貧困地域の住民や難民・避難民にとって深刻な脅威になっている。

会員が月に数回、食事を抜いて、その食費分を献金する「一食を捧げる運動」。今回の緊急支援は、この浄財によって行われる

一方、国内では5月25日に緊急事態宣言が全面解除されたが、経済活動の停止などにより、以前から厳しい生活を送っていた人やそうした家庭の子供たちが失業や住まいの喪失、食料不足、退学など、さらなる苦境に追い込まれている。こうした状況を踏まえ、同基金は、国内外の感染防止対策や生活困窮者への救援のため、4項目からなる今回の緊急支援を決定した。

「一食地域貢献緊急支援プロジェクト」は、日本国内で感染が拡大して以降、社会の状況が大きく変化する中で、本会の各教会が地元の団体(病院を含む)を支援し、地域に貢献することを願いとしている。プロジェクトに参加する教会は、新型コロナウイルスの影響を受けて生活に困窮する人々を支え、感染症の拡大を防止する活動などに取り組む地域団体の情報を集め、支援先を検討した上で決定する。緊急支援プロジェクトは、参加教会数によって最大で1億2300万円が予算化された。参加教会は11月10日までに申請書を提出する。

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