風雲急を告げる朝鮮半島とキリスト教(海外通信・バチカン支局)

感染防止のため サウジ政府がメッカ大巡礼を縮小

サウジアラビア政府は6月22日、ムスリム(イスラーム教徒)にとって大切な五行の一つである「メッカ大巡礼」(ハッジ、今年は7月28日~8月2日)への参加者を、国内に在住するムスリム(外国人を含む)に限定すると公表した。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためだ。

今年は65歳以上の高齢者や持病のある人も参加できない。参加者たちには事前にPCR検査が実施され、事後には14日間の隔離生活が義務付けられた。

昨年のハッジの参加者は約260万人だったが、今年は10万人以内と予測されている。巡礼中には、人と人との間隔を空けることや、群衆となることを禁止する措置が取られる。サウジ政府による今回のハッジ縮小政策に対し、マレーシアと世界で最も多くのムスリムを有するインドネシアの政府は、自国民の健康を守り、帰国した巡礼者たちが同ウイルスの感染源とならないことが重要との見解を示し、自国からの参加を見送る方針を発表した。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)