「イスラエル・パレスチナ問題に対して世界教会協議会が声明を発表」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

イスラエル・パレスチナの問題解決に平等な人間観を WCCが声明

世界教会協議会(WCC)執行委員会は5月27日、全ての加盟教会、諸宗教間対話のパートナー、良心と善意の人々に対して、「イスラエル人とパレスチナ人を含めた全ての人々の人間として尊厳と権利を支持し、訴えていくように」と呼び掛ける声明文を公表した。

この中で、WCCは「われわれは、反ユダヤ主義が神と人類に対する罪であると告発するように、民族、人種、または、宗教の違いによるパレスチナ人に対する差別、疎外、集団的制裁、暴力も、神と人類に対する罪として拒否する」と明言。「イスラエル・パレスチナ間の現状に対するアプローチが、どちらかにくみして対立に終始してしまうのではなく、中東地域の全国民に共通する人間性、神から与えられた尊厳性と権利を認識し、これを主張してゆくように」と唱え、「2民族2国家」の解決策を支持している。聖地(イスラエル、パレスチナ、ヨルダン)のカトリック司教たちもこのほど、「人類の友愛」を中東和平プロセス再開のための「ビジョン」として導入するようにと訴えていた。

WCC執行委員会はこの日、米国のキリスト教の諸教会評議会と「米国とイランの緊張の緩和」に関する共同声明文も発表。米国がイラン核合意からの離脱を表明した後、「戦争も辞さないとの対立の姿勢」を見せていることを憂慮しながら、外交交渉による解決の道に戻るよう訴えている。声明文では、「歴史の教訓に学ぶように」とも指摘し、「この不安定な地域におけるさらなる紛争は、巻き込まれる市民たちに、そして中東と世界に予見できない悲劇的な結果をもたらす」と警告を発している。

【次ページ:「アジアで、和解と非暴力の実践を」とヤンゴン大司教】