第20回「いのちの尊さを祈る日」 中野教会が加盟する明るい社会づくり中野区宗教者懇話会が主催

中野区内の宗教者や識者が集い、神道の儀礼に従って、いのちの尊さをかみしめ、平和を祈念した

明るい社会づくり中野区宗教者懇話会主催の第20回「いのちの尊さを祈る日」の式典が5月19日、東京・中野区の真言宗豊山派新井山梅照院(新井薬師)「大悲殿」で開催され、立正佼成会中野教会をはじめとする同区内の宗教者、識者など約140人が参加した。

第二次世界大戦下の昭和20年5月25日から26日にかけて、東京の山の手地区は米軍爆撃機B29の焼夷(しょうい)弾などによる大規模な爆撃を受けた。死者は3000人以上、中野区でも400人以上のいのちが失われた。

同区内の仏教、神道、キリスト教、教派神道、新宗教などの宗教者で構成される同懇話会では、「山の手大空襲」などの戦没者と多くの災害犠牲者のみ霊(たま)を慰めるとともに、「いのちの尊さ」「共に生きる喜び」をかみしめることのできる家庭・地域社会の実現を願い、平成12年から毎年「いのちの尊さを祈る日」の式典を開催し、今年で20回を迎えた。

当日は、同懇話会の安藤文隆事務局長(真言宗豊山派金峯山東福寺住職)の「開会のことば」に続き、北野神社(新井天神)の半田裕明宮司を祭主に、神道の儀礼に従い「慰霊式」。修祓、祝詞奏上、神楽舞奉納と厳かに執り行われ、参加者は共に追悼の誠を捧げ、平和を祈念した。

続いて、同懇話会の北條賢山会長(真言宗豊山派日照山東光寺住職)があいさつ。北條師は、20年にわたり同式典が開催されていることに謝意を表し、地域社会の平和を願った。さらに、『災害支援と宗教 その課題』と題し、國學院大學神道文化学部の黒崎浩行教授が講演した。黒崎氏は、東日本大震災の際に、多くの宗教者・団体が救援・支援に動いたことを紹介。宗教者災害支援連絡会の動きなどに触れ、自治体との連携、宗教協力などを進め、災害時に備えるとともに、復興に貢献する重要性などを解説した。

来賓による献花、酒井直人中野区長のあいさつの後、同懇話会常任委員の佐藤浩士・本会中野教会長が「閉会のことば」を述べた。